第八十五話 決意 ページ35
「―――っ!」
はっと目を開ける少女
今見てきたことは本当に事実なのだろうか?
「わかっていた、私は記録を知っていた―――ママがしたことを・・・私は、ユーグスタクトは知っていた・・・だけどママは私の記録からそれを消した・・・ママがしようとしたことは禁忌・・・」
アストリッドが左手を横に振ると水柱が弾け飛ぶ。ゆっくりと歩きだす。階段を登り空間を出る
「全部わかった。ママがしようとしたのはあの人たちを生き返らせること。全部思い出した。ユーグスタクトの存在理由を。運命を。在り方を・・・ユーグスタクトは・・・魔女じゃなかった・・・魔女を統べるもの。ローレンヌ様の為に在り続けるもの」
泣きそうな顔をしながらもしっかりとまっすぐ前を向き礼拝堂に入る
「私はそれでも受け入れる。ママが否定したユーグスタクトを。ママが望まなかったユーグスタクトの在り方を。ママが私に託してくれた祈りを。だから私はやるべきことをやる。私の全てを使ってでも。絶対にっ!」
陣の中心に立ち魔力を高めていく
「我が名はアストリッド・ユーグスタクト。ローレンヌ様をお守りする13代目のユーグスタクト。ユーグスタクトに導かれし哀れな魂よ、我が名において命じる。壊せっ!ここに踏み込もうとする裏切り者を壊せっ!!」
アストリッドを中心に世界が揺れた
街外れの郊外
雑木林に囲まれた蔦に絡まれた小さな洋館の中。
「おっ?」
ピクンと顔を上げ虚空を見上げる紫の髪の魔女
「どうかしましたか?」
「んー?あぁー、向こうがちょー本気できたよぉー。しかも今まで以上にっ!あはっ!そーゆーのすきぃ!!」
きゃっきゃ楽しそうに笑いながら手に持っているものを食べるナーシャ。でも口に合わなかったのか投げ捨て口から滴る血を縫う
「そうですか」
「ん、まぁ問題ないない。ねー、サミュエルたんっ!」
血で描かれた陣の上で大の字に寝かされた少女、その手足と首は杭で打ち抜かれ床につなぎ留められている。
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作者名:ストゥアート | 作成日時:2017年6月24日 22時