第五話 めんどくさがり ページ6
〜車内〜
「…次はいつもの神道会(とこ)?」
「そのように聞いております」
「何の用だろう…ところでさ、救急箱ってのせてない?けがをしちゃったんだけど」
アリスは座席を見渡しながら朝比奈に尋ねる
「お嬢様の足元にありますよ。それと着替えはそちらの袋の中に。お嬢様がけがをなさったことはモニターに映りましたので」
「…あ、あった」
服を脱ぎ棄て慣れた手つきで消毒液をコットンに染み込ませ傷口に当てる
痛みにわずかに顔を顰める
「ねぇ、前から気になっていたんだけどなんで私の体のことがモニターに映るの?」
「…本来なら機密ですがお嬢様のことです。きっとあとで調べるつもりでしょうから先にお教えします。お嬢様の頭の中には特殊な機械を埋め込んであります。脳からでる微弱な電気信号を拾いこちらのモニターに映してあります」
「じゃあこの前の手術はそのためだったんだね」
アリスは納得したように頷い
「そういうことになりますね」
「にしても急に仕事を入れてくるなんて面倒ね」
「面倒くさがってはいけませんよ。旦那様からもお願いされているのであれば立派な仕事です」
「わかっているよー、でも本当あいつ面倒くさいんだもん」
「…そろそろ目的地です。準備を」
「はーい」
アリスが乗る車は大きなビルの前に止まった
「ん、ありがとう。先に帰っていいよ」
アリスがドアを閉め車から少し離れると車は静かに発進し闇に消えて行った
「…」
アリスはビルの中に入ると指紋認証機などのシステムを通過してエレベーターに乗り最上階に向かった。
最上階の一番奥のドアの前につくとアリスはため息をつきながらノックをした
「どうぞ」
声が聞こえ入室の許可を得て中に入る。
いつものソファーにアリスが座ると目の前のテーブルの上にお茶が出された
「会長はもうすぐいらっしゃいますのでしばしお待ちを」
お茶を出した男はアリスに要件を伝えると一礼をすると監視の為部屋の隅に戻った。
「はぁ…別になにもしないのに…」
アリスはため息をつきながらお茶を静かにすすった
数分後、やっと一人の男がアタッシュケースを手にやってきた
「やぁ、お待たせ」
男はアリスとは向かいのソファーに座りアタッシュケースを机の上に置いた
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作者名:ストゥアート | 作成日時:2017年1月11日 22時