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第十一話 愛する者との別れ ページ12

「ねぇ、いつまでも忘れないでね・・・ユーグスタクトの誇りを、アストリッド・ユーグスタクトの誇りを、あなたがあなたであることを。愛しているわ、アストリッド・ユーグスタクト・・・」

「―――アリスも、アストリッドも、ママのこと、愛している・・・だから行かないで・・・アリスの前から、いなくならないで・・・」

「それはできないことよ、さぁアリス。もう寝なさい」

「・・・ぃや・・・」

 首を振りさらに母にしがみつく

「我がままはだめよ、アリス」

「ぃや・・・ぃやぁぁ、いちゃいやぁ」

 丸い瞳に大粒の涙をためアストリッドは母の胸に顔を埋めた。

「もう、アリス泣かないの。ユーグスタクトがこの程度で泣いてはだめよ?それともアリスはユーグスタクトじゃないのかしら?」

「―――違うもん・・・アリスは、立派なユーグスタクトの魔女だもん・・・」

「じゃあ泣き止んで?」

「ん・・・」

 小さな拳でゴシゴシと目を擦り、母を見上げる。

「アリス、ユーグスタクトだから泣かないもん!」

「えぇ、立派よ。アストリッド」

 母はアストリッドの頭を撫でると立ち上がり使者に目で合図を送る。

「じゃあ後のことはよろしくね。これまで通り、ユーグスタクトの運命通りすべて円滑に進めなさい。いいわね?」

「―――いってらっしゃい、ママ」

 アストリッドの声に振り返り娘に向かって母はいつもより優しい笑みで答えた。

「はい、いってきます。アリス」

 母は使者が明けた扉を潜り吹雪の中に姿を消した。消えるまでの母の背中はどこか寂しく、だけど誇り気高かった。
 
 それが、娘が最後に見た母の姿だった。

第十二話 グレディ家の使用人→←第十話 それは遠い日のこと



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ストゥアート(プロフ) - 昔少女さん» コメントありがとうございます。更新頻度は遅いですが、楽しんでいただければ幸いです。これからもよろしくお願いします。 (10月22日 14時) (レス) id: df3bdd8f8f (このIDを非表示/違反報告)
昔少女 - あなたの生み出す想像の世界を私も漂っています。 (9月17日 15時) (レス) id: f6820b1fd8 (このIDを非表示/違反報告)
ストゥアート(プロフ) - エリザさん» ありがとうございます。今週は期末試験期間なのでほとんど更新ができませんがこれからもよろしくお願いします。 (2016年7月25日 20時) (レス) id: df3bdd8f8f (このIDを非表示/違反報告)
エリザ - 更新まっています(^_^)/~ (2016年7月25日 11時) (レス) id: fa956406d7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ストゥアート | 作成日時:2016年7月4日 21時

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