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「こんにちは。
お待たせしました」
わざとかしこまって他人行儀な挨拶したAが、
俺の手を取った。
Aから手ぇ、繋いでくれるって。
めっちゃ嬉しいし、ドキってなるやん。
「いえ。
僕も今来たとこです」
俺もかしこまって答えてから。
目配せして、吹き出してた。
「彼氏に待っててもらうん、夢やってん」
可愛ええ事、言う。
「その割に、まだ約束の１０分前やで？」
腕時計かざしたら。
「楽しみ過ぎてんもん」
ますます可愛ええセリフ、追加。
「俺も。
楽しみ過ぎて、
めっちゃはよ来てもうた」
手ぇ繋いで歩き出す。
昨日、下見はバッチリやからな。
ツリーを買うて、帰るだけやけど。
置いてあった、サンタの帽子を、
Aがちょこっと背伸びして、
俺にかぶせてくる。
「章大、可愛い。
今日の服にもなんとなく合うてる」
「Aもかぶせたろ」
サンタの帽子をかぶったAは、
あんまりにも可愛いて。
俺の胸はきゅんきゅん鳴り続いてる。
「お前もめっちゃ可愛い。
クリスマス、サンタのかっこして欲しい。
ええ？」
「何言うてるん。
章大が言うとえっちな響きに聞こえるからやめて」
「心外やな。
俺、平均的男子やのに。
Aが純情ちゃんやねんか」
「・・・」
A、なんでか返事くれへん。
また拗ねてまう？
ちらって、こっち見た後。
ぷいってして。
サンタの帽子も取ってもうた。
「どした？
なに拗ねてんの？」
「どうもせえへんもん。
章大なんか嫌い」
「嫌いて。
なんでやねんな。
傷付くやんかぁ。
こっち向いて？」
「嫌やもん」
わがままも可愛いて。
俺、どこまで惚れてんねん。
けど、ここ外やし、
ぎゅって出来ひんからなあ。
まいったな。
A、すぐ拗ねてまうけど、
ぎゅってしてキスしたげたら、
ご機嫌なるもん。
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作者名：fool x他1人 | 作成日時：2017年11月16日 21時
