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ずるいのは章大の方。


なんでも思い通りにしてく。


「なあ?まだ怒ってるん?」


後ろから抱きしめてきて、
耳元に囁くように聞いてくる。


猫なで声して。


「怒ってるに決まってる。
昼間に次にあんなんしたら、
許せへんもん」


「許せへんて。
どんな罰されるん?」


そんなこと、聞かれても・・・


小学生なら、絶交て言うとこやけど。


章大と絶交したら、
私、会社にほんまの友達さえおらん状態やんか。


章大だけが、
奥底から、
心許せる人やった。


「分かれへんけど。
社食のパフェおごりとか」


思いつけへんあまりに、変なことを言っちゃってる。


「そんなんでええなら。
お安い御用やんか」


「やっぱ、今のなし。
違うの。
もっとすごいの、考えるから。
保留にしといて」


「ふん、分かった」


気の抜けた返事。


全然、ビビってないから、
絶対またされるやんか。


でもほんまにあんなこと、
章大はまたしたいんかな。


ほんまは、胸、ちっちゃっ!!!って、
ひいてないかな。

そしたらもう、
別に二度と見たくないって思われてる気もしてきた。

それはそれで寂しい。


私、矛盾しまくりやん。



「ごめんな?
さっさと片付けて、
ルミナリエの前に、
どっかカフェでも行って、お茶しよか?」


章大が私を後ろから抱っこして言うてくれた。


「うん!
章大、やっぱり優しい。
大好き」


自分から振り返って、
可愛い章大の頬にキスしちゃった。


私、昨日からおかしいねん。


Aって変なとこ潔癖症なん?て、
大学時代、散々、
友達とか付き合うてた人に、
引かれてたのに。


章大にはベタベタしてたくなる。






西宮で有名なタルト屋さんで、
すっごくおっきなイチゴのタルトを注文して。


二人で半分こして食べる。


「おいしいな」


章大はこう見えて、割と好き嫌いがある。

いや、どう見えてって話やけど。


好き嫌いが多い人って、
私の中ではワガママなイメージやねんもん。


章大と知り合うてから、
それは思い込みやったって気付いた。


そして、イチゴが大好きやねん。


私もイチゴ、大好き。

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作者名:fool x他1人 | 作成日時:2017年11月16日 21時

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