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二人の吐息が混ざる。
何度も何度も求め合うて。
もう溶けていきそう。
舌先で唇を割って、
滑り込ませたら。
Aの肩がびくって震えた。
首、横に振って、いやいやする。
もっかい、顔傾けて、
覗き込むようにしても。
俯いて、顔背けて、
もう、キスしてくれへんなってもうて。
もどかしいて、泣きそうになる。
「・・・怖い?」
俯く頬を手のひらで包み込んで聞く。
もう、26やし。
振られた元彼の話もしてた。
初めてちゃうよな?
「ううん、びっくりしてるだけ。
章大ちゃうみたい。
慣れてて、嫌」
「俺ちゃうみたい?
もっと優しいするな?」
Aの少し濡れた唇に指で触れたら、
とろんとした目で、
俺を見上げた。
こんなに感じてるくせに。
焦らされて、苦しい。
深くなれへんように、
抑えながら、キスして。
必死で俺にしがみついてるAを抱き上げて、
ベッドに連れてく。
「章大・・・?」
「この前みたいに、
何もせずに、
朝までは、無理かも。
・・・ええ?」
確かめながら、
指を絡ませる。
「うん・・・」
答えたAのつま先が震え出した。
「寒いかな?
暖房、もっと温度あげよか。
先にお風呂に入る?」
「ん、そうする」
答えたAの声はやっぱり震えてて。
めっちゃ緊張してんのが伝わってきた。
可哀想になるぐらいに。
今日はまだええかな。
気持ちが通じ合うただけで。
めっちゃ嬉しいし。
お風呂の準備しながら、
思い直した。
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作者名:fool x他1人 | 作成日時:2017年11月16日 21時