10話 ページ11
玄関に向かう途中に中庭が目に入った
『そういえばまだ行ったことなかったな』
お昼で結構利用してる人もいるけど私は教室で食べるのでまだ利用したことが無かった。
入るとすぐ花壇があった。綺麗に手入れされている。
『…綺麗』
ひ「…A?」
びっくりした…恐る恐る振り返るとひとらんがいた。
え、まってなんで呼ばれたの?なんで名前知ってるの?てか覚えてるの?
『…覚えてる…の?』
驚く程に自分の声は震えていた。
なんでこんなに震えてるのか自分でもわからない
ひ「…覚えてるよ」
『そっか…』
気まずい…そして怖い。いくらペ神から前世のことを聞いててもまた否定されたらどうしよう。って考えが止まらない。
しばらく続いた無言の空気に言葉を発したのはひとらんだった。
ひ「Aごめん」
『ちょっと、ひとらん』
ひとらんは急に頭を下げた。
待って待ってわかんない
『顔上げて、ねぇ…』
ひ「許してくれって訳じゃない。でも謝りたかった…」
『わかったから、ねぇ顔上げて!』
そう言ってあげたひとらんの顔は今にも泣きそうだった。
ひ「あれから後悔してた。Aが辞めるって聞いた時、理由はわかってた。気づけば避けて、そして居なくなった後遅かったけど気づいて…」
『うん…』
私はひとらんの目をしっかり見て聞いてた。
ひ「あれからペ神が言ったんだみんなに…"罪悪感が残るならなんであんな扱いした!”って」
初耳だ。ペ神あれからそんなこと言ってたんだ…
ひ「ペ神は後悔で潰れそうだって、Aは何もしてないのにって…ペ神は俺たちに怒鳴って…でも何も言い返せなかった。その通りだったから。勝手にアイリと比べて勝手にAを傷つけて、俺…仲間に何してたんだろうって」
ひとらんはだんだん涙を流し始めた。私ももう涙でぐちゃぐちゃだった。
ひ「遅いと思った。今更やったことに気づいて謝ろうなんて都合のいい話だよな。恨まれてもしょうがない…でも、でもAに頭下げないとってそれでっ」
『…大丈夫だよひとらん』
罪悪感があるのは私だ。ペ神とひとらんを苦しめていた。自分のことばかり考えて
『私もごめん。こんなにもひとらんを苦しめた』
ひ「なんでAが謝るの?悪かったのは俺たちだよ?なぁ謝らないで…」
『ひとらん…も謝らないで…』
ひ「え…」
『恨んでなんかないよ。むしろ嬉しい』
ひ「A?」
『また"仲間”って言ってくれて嬉しい』
1227人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夢桜(プロフ) - 雪だるまさん» コメントありがとうございます!嬉しいです!今世も頑張ります! (2020年2月19日 7時) (レス) id: b9ddcf0a96 (このIDを非表示/違反報告)
雪だるま - 前世のストーリー読んでいたらボロ泣きしてしまいました(笑)・゜・(ノД`)・゜・。これからも更新頑張ってください!(*´∀`*) (2020年2月19日 2時) (レス) id: 21e85ba670 (このIDを非表示/違反報告)
夢桜(プロフ) - 藤堂玲衣さん» コメントありがとうございます!すみません…口調に関しては他の小説の方なども参考してますので。めうは基本言わない方だというのも理解してます。気をつけますね (2020年2月17日 16時) (レス) id: b9ddcf0a96 (このIDを非表示/違反報告)
藤堂玲衣(プロフ) - 凄く面白いです!続き頑張ってください!後、マンちゃんなんですが……こんなにめうめう言ってる人じゃないです……突然すみません…… (2020年2月17日 14時) (レス) id: 1be80122a6 (このIDを非表示/違反報告)
夢桜(プロフ) - 花風雪さん» コメントありがとうございます!誤字指摘ありがたいです!頑張ります!! (2020年2月2日 1時) (レス) id: b9ddcf0a96 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夢桜 | 作成日時:2020年1月16日 23時