第57話 新事実 ページ10
・
『レディー 笑わないで聞いて ハニー…』
「何の歌?それ」
「日本の歌手の歌」
「あ、日本語…聞き取れないと思ったら」
土曜日の夜、いつも通りウォヌさんが私の家に来て
私は次の講義で使う参考書の予習、ウォヌさんはノートパソコンにレポートを打ち込んでいる
週末はいつも一緒に過ごしているので、またウォヌさんについて新たに分かったことがいくつかある
何か作業をしている時、ウォヌさんはよく歌を口ずさむ
「ウォヌさんは歌手にだってなれるよ」
「ふっ。大袈裟」
「ううん、本気で。私なんてこの間のカラオケで58点で…」
「その点数気になるな、逆に」
ウォヌさんはこう見えて結構おっちょこちょい
それもなんか可愛くて、放っておけない感じ
「…ウォヌさん、シャツの前と後ろ反対じゃない?」
「あ…ほんとだ」
「苦しいなって思わなかったの?」
「洗濯して縮んだだけかなって」
メガネは3種類使い分けてること
今は勉強用のを使っているんだとか
「どう違うの?」
「これはブルーライトカットが入ってる。でも高かったから、勉強以外はこのいつもの安いやつ」
「もう1個のは?あんまり見ないけど」
「これ?これはもうおしゃれ用。デートの時とか特別な時だけ」
勉強用のから普段使いのメガネに替えたウォヌさんが
今度はおしゃれ用だという、少しフレームが細めのメガネをかけて見せてくれた
私の誕生日の日にもきっとかけてくれてたんだろうけど、何せ緊張しててメガネまでじっくり見てなかったので素直にガン見してしまった
ああ…いいね……全部カッコいいよウォヌさん……!
「…俺、Aさんの視線で穴開きそう」
「うふふ……好きだなあ」
こんな勉強も出来て歌も上手で可愛くてカッコいい人が…
私の彼氏で本当にいいのかしら
もはや参考書を読む気にもなれず
両手で頬杖をついて、まじまじと目の前にウォヌさんがいる現実を目に焼き付ける
「そんなに好き?メガネの俺」
「ん〜?好きだよ。かけても、かけてなくても」
そう返すと、ウォヌさんは急に立ち上がってこちらへ来て隣に座った
私がかけていたメガネを外されたので、何?と聞くと
「俺は、Aさんは外してた方が好き」
「え、そう?」
「うん。キスしやすいから」
そんな理由…と思いつつも
甘く交わされる口づけを受け入れる
あと…そう。ウォヌさんは、キスする時
私の唇を少し甘噛みするのが好きみたいです
・

517人がお気に入り

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:豆乳+ | 作成日時:2024年12月25日 1時