検索窓
今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:6,287 hit

第102話 ページ6

喜八郎side

そんな先輩方を横目に、僕はわざと彼女の傍に行き背中を合わせた。
こうした方が楽でしょ?

そうしていると、立花先輩から顔面を掴まれた。
なんですか……゛と言おうとした時、矢羽音の音が聞こえた。

仙蔵「(喜八郎。お前に頼みがある。)」

そう言われ事情を話された。Aさんが楽になるのなら、その役割は僕が担おう。

承知の意味を込めて鋤の先を2回トントンと叩くことにした。

それから、六年生達が一年生をAさんから引き剥がし、負担にならないようにと外に出ていった。

彼女が定期検診の日を狙って、医務室に向かうようにした。
あくまで自然に彼女と接触するためだ。
そうして歩いていくと、やはりAさんは医務室におり、ちょうど外に出てきたので抱きしめることにした。

ちょうどよく僕の胸の中に収まったのが悪い。
腕の中に閉じ込めていると彼女はワタワタとして抵抗していた。
そんな姿に愛しさを感じ、そのまま彼女を連行した。
条件は全忍たま、くノ一、教員に知れ渡っているため、僕も2人以上という条件は知っていた。
だが、2人いれば彼女は甘えにくくなってしまう。そう思い、少々悪いとは思うが小松田さんを使わせてもらうことにした。

走って彼女を裏山まで連れていくと、混乱したような顔をしていた。
その時、腕におびただしく巻かれた包帯が見えた。
彼女は、一体どこまで辛い過去を背負ってきたのか、僕には想像もつかない。

喜八郎くん。と呼ばれる度に、距離を置かれているようで寂しく感じ、呼び捨てでいいと言うと、彼女は頑張って僕を喜八郎と呼んだ。
愛しさのあまり思わず顔に出てしまったらしい。

そうして本題に入ることにすると、Aさんは驚いた顔をして、段々と苦しそうな、泣きそうな顔に変わっていった。
あぁ、彼女は頼り方や甘え方を知らないのだろう。
そう思うと、苦しそうにする彼女を抱きしめる他なかった。
ただ、そばにいてあげたい。
僕がそばにいれば、そんな顔させないのに。

Aさんは大声で泣いた。
聞いたこともないくらい大きな声で、全てを吐き出すかのように泣いていた。
僕はそんな彼女を慰めることしか出来なかった。

Aさんの苦しさや辛さは僕が受け止めるから、Aさんがいなければ忍術学園のみんなは悲しいから、Aさんが好きだから。笑っていて欲しい。

僕はずっとAさんの味方で居続けると心から誓った。
その意思は決して誰も砕けるものではないだろう

第103話→←第101話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (25 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
49人がお気に入り
設定タグ:忍たま乱太郎 , 逆ハー , 愛され   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

しのぶ - 夢主ちゃんが凄くかっこよくて好きです!更新を頑張ってください! (2022年12月30日 13時) (レス) @page11 id: 0ed4fa3946 (このIDを非表示/違反報告)
ホットパイ - こんにちは!! お話の内容が面白くて分かりやすいです!! 夢主ちゃん場所変わって欲しい!! これからも無理のない範囲で頑張ってください (2022年10月19日 19時) (レス) id: 1514e3e318 (このIDを非表示/違反報告)
- すみませんが、またお願いしていいでしょうか…?😣💧🙏今度は「予算会議見学編」とか、「忍術学園の文化祭編」っというリクエスト (2022年10月16日 19時) (レス) @page2 id: 4f4447b9aa (このIDを非表示/違反報告)
- 六年生の生徒達が助けに来てくれてよかったです!!心からホッとしました!!😂✨喜八郎君の猫っぽい面、可愛いかった…/////(~_~;)良い👍 (2022年10月9日 22時) (レス) @page11 id: 9f4c54b48a (このIDを非表示/違反報告)
- 喜八郎君は夢主さんを守ることができるのかが心配です…😥でも、夢主さんが言ってる台詞と本音はよく分かります。「私と同じだ…🥲」っと思って😌 (2022年10月1日 19時) (レス) id: 73961df6ed (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Spring | 作成日時:2022年9月25日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。