第107話 ページ11
Aside
そんなこんなとゴタゴタがあったが、みんな無事に帰ることが出来た(1名を除いて)
喜八郎「Aさん、繋ぎましょうよ」
と手を差し出してくれた。
彼なりの気遣いなのだろう。そう考え、手をそっと握ると大きな手が握り返してくれた。
小平太「あ!いいな!私も!!」
といい、空いてる手を握られた。小平太の手は想像以上にゴツゴツとしていてマメが沢山出来ており、また逞しい男の手だった。
伊作「小平太〜汗」
小平太「ん?なんだ伊作!もしかして羨ましいのか!?」
伊作「ウグッ……そ…そうじゃなくて…汗 小平太の歩幅が広すぎてAさん着いていけてないだろう?危ないよ…(羨ましいのもそうだけどさぁ…!)」
小平太「んぉ??すまんすまん!!」
そう言って大きく開いた歩幅を狭めて俺に合わせてくれた。
いくら俺でも男性の歩幅について行くのは大変で、足がつるかと思ったため、伊作くんには感謝しかない。
喜八郎「僕の特権だったのにぃ……」
仙蔵「まぁそう言うな、Aさんとお前、小松田さんが傷ついたら大変だからな。囲っておかねば」
喜八郎「子供扱いしないでください!僕はもう13です!!」
仙蔵「!怒らせたのならすまなかったな喜八郎。皆心配したんだぞ。怪我だけで済んで良かった。Aさんの件もありがとうな、喜八郎」
そう言って仙蔵くんは喜八郎くんの頭を撫で回していた。
喜八郎「だから!!僕を子供扱いしないでください立花先輩!!……頼まれてやったんじゃありません…僕が気になったからやっただけです…゛」
そう言いながらも満更でもなさそうな顔をしている喜八郎。
六年生を前にすると子供のような扱いを受ける喜八郎に、少しばかり驚きつつも、その光景を眺めていた。
長次「小松田さん」
小松田「うわぁあ!!な…なんだ中在家くん…ど…どうしたの?」
長次「腕……怪我してますよね……これどうぞ……」
小松田「うぇ!?どうして分かったの?」
長次「…………」
無言で包帯を渡し立ち去る長次くん。
俺は心の奥底で、やはり上級生には敵わないな……と感じた。
なんだか今日は気分が良くて、暖かくて、優しい気持ちになった。
誰かに頼っていい。
一人で悩まなくてもいい。
そう思うと、身体が軽くなった。
『ありがとう。みんな。助けてくれて。』
そう呟くと、周りが静かになり、突然大声で全員が「おう!!」と返してくれた。
ポタポタと綺麗な絵の具が落ちていく。俺の心に。
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しのぶ - 夢主ちゃんが凄くかっこよくて好きです!更新を頑張ってください! (2022年12月30日 13時) (レス) @page11 id: 0ed4fa3946 (このIDを非表示/違反報告)
ホットパイ - こんにちは!! お話の内容が面白くて分かりやすいです!! 夢主ちゃん場所変わって欲しい!! これからも無理のない範囲で頑張ってください (2022年10月19日 19時) (レス) id: 1514e3e318 (このIDを非表示/違反報告)
雅 - すみませんが、またお願いしていいでしょうか…?😣💧🙏今度は「予算会議見学編」とか、「忍術学園の文化祭編」っというリクエスト (2022年10月16日 19時) (レス) @page2 id: 4f4447b9aa (このIDを非表示/違反報告)
雅 - 六年生の生徒達が助けに来てくれてよかったです!!心からホッとしました!!😂✨喜八郎君の猫っぽい面、可愛いかった…/////(~_~;)良い👍 (2022年10月9日 22時) (レス) @page11 id: 9f4c54b48a (このIDを非表示/違反報告)
雅 - 喜八郎君は夢主さんを守ることができるのかが心配です…😥でも、夢主さんが言ってる台詞と本音はよく分かります。「私と同じだ…🥲」っと思って😌 (2022年10月1日 19時) (レス) id: 73961df6ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Spring | 作成日時:2022年9月25日 1時