十人十色な個性の爆発[忍たま乱太郎]

第13話 ページ15

Aside

留三郎くんと無事に別れ、障子を開けると、床に紙が散乱しているのを必死に拾い集めるが、拾い忘れの紙で足を滑らせて再度紙をぶちまける若い青年と、頭にお茶を被りタオルで拭いているも、明らかに火傷して真っ赤になっているだまし絵のような男の人がいた。

何だこの混沌な絵面は。

真顔になり1度戸を閉めた。深呼吸をし、再度戸を開けると、やはり同じ光景だった。彼は何度転べば気が済むんだ？？
すると、だまし絵のような男の人が声をはりあげて怒鳴る。

吉野「小松田くん！！もういいからAさんの分のお茶をお入れしてきなさい！！！」

小松田「はｯ！はぃい〜！！」

すごく心臓がバクバクして呆然としてしまったが、首を振り、冷静を保つようにする。すると、そっと吉野先生は座り、目を合わせるようにしてくれた。

吉野「学園長から話は聞いております。傷の件についても、新野先生からお聞きしました。私は道具管理主任の吉野作造と申します。先程出ていった彼はあなたと同じ事務員の小松田秀作くんです。……あなたが出たいと思うその時まで、ここに居ていいのですからね。大人が沢山居ますので、あなたを守ってくれます。」

と、優しい声色で頭に手を置かれ軽く撫でられた。その温かさに少し安心して肩の力が抜けていくも自分もしっかりと挨拶を交わすようにする。

『ありがとうございます。吉野先生。俺……は……御嶽Aと申します。よろしくお願い致します。』

吉野「はい。一人称なら、お気になさらなくても大丈夫ですよ。ご自分の好きな一人称でいいのです。事務員と言っても大したことはしないのでご安心ください。読み書きとかは出来ますか？」

『！！はい！……一応出来ます。本を読んで真似事をしただけですが……』

吉野「いえいえ、それなら結構。事務員の仕事は、こういう書類の整理や、正門前の掃除、トイレ掃除やお客様が出入りする際にサインを貰ったりなど、まぁ細かいところを担当していますね。これは生徒と教員の顔と名前の入った名簿です。それとこの学園の地図です。広いので迷ってしまうかもしれませんが、誰かしら気がついてくれると思いますので、大丈夫だとは思いますが……」

と、一気に情報が入ってきて混乱しそうになるが冷静に整理をして何とか持ちこたえられた。これは骨が折れそうだ。

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