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私が死柄木弔の妹であるということは雄英の先生と名のあるプロヒーロー、そしてA組のあの場にいた4人、そして溜だけが知っている事実。
どこからだ、どこから漏れたんだ…。
『…爆豪勝己の素行の悪さは教育者である私の不徳の致すところです。ただ、体育祭での一連の行動は彼の理想の強さに起因しています。誰よりもトップヒーローを追い求め、もがいている…それを見て隙と捉えたのなら、敵は浅はかであると私は考えております。』
勝己くんへの言葉に胸が高鳴る。
さすが相澤先生。相手の目的がわかった上で合理的に解決した。
『…そして、志賀Aの死柄木弔の妹であるという件についてですが…彼女は確かに兄を慕っておりました。ですが彼と彼女は育った環境が違います。血で判断するのは間違っていると思います。彼女は、私のクラスで誰よりもヒーローです。偶に、私が教えられるほどに』
相澤先生の言葉に涙腺が緩むのがわかった。
私が気にしていたことを、こうも簡単に無かったことにするなんて。
そして、相澤先生は私たちを見ていないわけじゃない。
この人は、私たちを全部見てくれているんだ。
そして助けてくれるんだよね。私たちを、そして困っている人達を。
「…言ってくれるじゃねぇか。雄英も、先生も！」
「…転にぃ、転にぃはヒーローが嫌い？」
転にぃに問いかけると彼は“当たり前だ”と告げる。
多分ここにいる人たちは皆、多かれ少なかれヒーローに嫌悪感を抱いていて、ヒーローに復讐したいと考えている人が多いのだろう。
「うん、そうだよね。分かり合えない人達ってやっぱり一定数いると思うんだ」
私は勝己くんに対してニヤリと笑う。
彼も私の意志を察したのか同じようにニヤリと笑ったのが見えた。
「言っとくが俺らはまだ戦闘許可解けてねぇぞ！！」
「やだこいつら自分の立場分かってるわね、小賢しい子！」
「…いや、馬鹿だろ」
敵が口々に私たちに対して何か言っていくけど私はそこに気を使っていなかった。
いくら個性を使えるとはいえ、数では圧倒的に不利だ。
「立場が分かってるなら懐柔されたフリでもしてればいいものを」
「したくないモンは嘘でもしたくねんだよ俺ァ」
「私は考えた」
勝己くんに思いっきり睨まれた。
だってそれが1番手っ取り早いと思ったんだもん。自由になれる方法として。
「爆豪勝己くんとは分かり合えると思ってたよ。Aとは前のようになれると思ってた」
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