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「誰もいない。やっぱりもっと脱落者出しとくべきだったかな」
トップ通過なら、もっとぱっと倒せばよかったかも。
そのほうがほら、かっこいいし。
「あ！あなたがトップでしたか！！」
「…あなたはさっきみんなに絡んでた…」
名前は知らない。相澤先生がぼそっと言ってたかもしれないけど聞いてなかったし。
「夜嵐イナサっす！！」
「夜嵐くんですか。私は」
「志賀Aさんですよね！！」
自己紹介にかぶせるように私の名前を呼ぶその人にちょっと引いた。ごめん悪意はない。
「雄英好きなのになんでやめちゃったんですか？」
「…エンデヴァーがいたからっす」
苦虫をかみつぶしたような顔をする彼に思わず笑ってしまった。
なるほどわかりやすい。この人はアンチエンデヴァーか。
あの時の焦凍、もうある意味エンデヴァーしか見てなかったもんな。
「続々と合格者きますね」
「仲間、心配じゃないんすか？」
夜嵐くんの言葉に思わず止まった。
心配か、心配じゃないかのどっとかと聞かれたらそりゃ心配だ。
だけど、もう私は前の私じゃない。
「信じてますから。クラスメイトを」
「…俺も、そういう奴一人いるっす」
夜嵐くんの言葉に思わず耳を疑った。
「どういうことですか？」
「会場は違うんすけど、士傑からもう一人、一年でこれ受けてる人いるんすよ」
会場は違うけど、もう一人…。
その人もきっとなかなかハイレベルな人なのかな。
「志賀さんと同じく、雄英の前期受けたらしいっす。そんで、落ちた」
「…っ！」
まさか、あの場にいたもう一人。
「空閑繋っていうんすよ。あいつ、貴女にあこがれてるのでいつか話してほしいっす」
「…え、あ、はぁ」
じゃあもし、その人がB組と同じ試験場だとしたら。
「溜がやばいぞって忠告ですか？」
「…いや、そんな」
そんなことを言ったら。
「じゃあ私も一つ。彼は変わりましたよ」
早くA組のだれか来ないかな。
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