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爆豪side
「…っ！！」
目の前でAが顔を顰めたのが分かる。
よく見ると、足をガレキで殺られていた。
「A！」
「…ったぁ…これくらいなら治せるから大丈夫だよ」
Aはそう言うと、自分の右足を触る。
するとすぐにAめがけて俺たちの身長と同じくらいの瓦礫が降ってきた。
「…っ、A！！」
今度は俺が無我夢中でAを抱いて立場を反転させる。
そしてその瓦礫めがけて思い切り爆破させた。
破片くらいならAは怪我しても治せるだろうという信頼のもと。
腹に響く低い爆破音。
それと共に瓦礫が粉々に散っていった。
「…大丈夫か」
「うん、大丈夫。ありがとう」
“助けられちゃったな”
そう小さく呟いたAに俺は思わず口角が上がった。
てめぇを助けんのは俺の仕事だからな、そうこいつに告げるように。
「A！！Aどこだ！！」
半分野郎の焦ったような声が聞こえる。
返事のないAに心配になっているのだろう。
「私は無事だよ。2人は無事？」
デクはそれに頷くことで肯定を示す。
そして驚いたようにAの頬の怪我を心配し始めた。
「あぁ、大丈夫。これくらいならすぐに治せるよ」
頬の怪我も一瞬で治し、Aは俺の方を見た。
「勝己も背中貸して。絶対やったでしょ」
「…ふん」
別に動けねぇほど痛いわけじゃない。
だから俺はそれを断る。
半分野郎とAは呆れたように笑っていた。
「地上を目指そう。多分地上からもレスキュー班が来てるはず」
Aがそう言うとすぐに丸顔の“おーい！”という声が聞こえてきた。
「未来予知でもできんのかテメェは」
思わずそう言ってしまうほどに。
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