10. ページ12
.
「んじゃあぱぱっと結果発表」
相澤先生のそんな言葉と共に張り出された結果を見て、私は小さく息を吐いた。
最下位は、除籍処分───────。
覚悟して掲示板を見ると、6位のところに私の名前が載っていた。
21位には緑谷出久の文字。
あぁ、この子除籍されちゃうんだ、とちょっと悲しくなった。
「ちなみに除籍は嘘な」
「へっ？」
みんなの目が丸くなった。
私ももちろん例外ではない。
「みんなの個性の最大限を引き出す、合理的虚偽」
本当にそうなのかな。
少なくとも、この人が嘘を着く人には見えなかった。
“当然だ”と言う女の子に、私は思わず向き合った。
「…相澤先生は、昨年A組まるまる除籍にしてるよ」
〈…最高峰である雄英高校でも、群を抜いて厄介なのは相澤消太という男だ。〉
父がそう言っていたのを思い出した。
「志賀、余計なことを言うな。…じゃあ今日はここまで。教室にカリキュラムとかあるから…緑谷は志賀に治してもらえ」
「…エ」
相澤先生から私に言った言葉で、私の個性が治癒系であると知り、みんなが目を見開いた。
「治癒なの？！すごい！」
「…ケッ」
最初の言葉は茶髪の女の子のものだった。
“治癒ならヒーロー街道まっしぐらだね”
幾度となくそう言われ続けた個性。
私じゃなくて、個性が愛されているような気がしてならなかった。
もしかしたら、両親もそうだったんじゃないかって…昔そんなことを考えたこともあったなぁ…
“ケッ”と一言しか爆豪くんは言ってくれなかったけど、でも何故かその目は温かく感じた。
やっぱり爆豪くんも治癒系個性がすごいって思ってくれてるのかな。
「うん…だから戦闘には向いてなくて。普段はバリバリ体術と銃で戦ってる。」
「…だからアホみたいな体力してたんか」
爆豪くんの言葉に私は頷いた。
爆豪くん、言葉とか態度の割に意外と周りみてるんだなぁ。
ちょっと意外かも、なんて思いながら緑谷くんの腫れた指を5本指で触る。
直ぐに色が元に戻り、彼もグーパーして何もなかったようなので私は“もう大丈夫だよ”と緑谷くんに笑って見せた。
「あ、ありがとう…！」
「ううん、これから頑張ろうね」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 429人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆう(プロフ) - はじはじさん» あっそうなんですか…すみません知らなかったです。直しておきますね。ご注意ありがとうございます (2021年9月27日 7時) (
レス) id: 6f6e5985a0 (このIDを非表示/違反報告)
はじはじ(プロフ) - あの、一つ気になることがあって…プロローグで83の偏差値が必要と言ってましたが高校入試では80が上限ですよ…そこだけ気になりましたすみません (2021年9月27日 2時) (レス) @page2 id: f8b80ddead (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 続きが気になるさん» コメントありがとうございます！頑張りますね。 (2021年9月24日 10時) (レス) @page44 id: 6f6e5985a0 (このIDを非表示/違反報告)
続きが気になる - 早く更新して欲しい！！！！！！！ (2021年9月24日 1時) (レス) @page43 id: c6e50b5478 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
