336. ページ11
.
「お父さん、急にごめんね」
「いやいいよ。それよりどうしたんだ？」
私は不思議そうに私を見てくるお父さんに対して本を渡した。
「マーカー部分の2文字目、読んで欲しい」
「2文字目…？」
お父さんはよく分かっていなさそうだったけど、本を読むにつれて顔が変わった。
「これ、誰からだ？」
「ホークス」
ここからは親子ではなくヒーロー同士の話し合いになる。
お父さんは電話でお母さんと溜を呼んだ。
「アイロンさん急に…A？エンデヴァーのところじゃ…」
「エイルです、こんにちはウェザレーション、ランヴェル」
私の返事に全てを察したのか、溜は私の隣の椅子に座った。
どこかその表情は強ばっている。
お母さんも同様で、これから始まる話し合いに少しだけ緊張しているように見えた。
「ウェザレーション、アイロン、ランヴェル。三人にお話があってここまで来ました」
疑われずに来れるのは、私だけだから。
「ホークスが私たちに伝えてくれたコレ。どうするかは私たち次第だと思います」
「…どういうこと？」
溜は話についていけない、とでも言うように首を傾げた。
いきなり来て、急に話されても確かに困るよな、なんて私は肩を竦める。
「ホークスからの伝言です」
溜とお母さんは私たち同様、マーカーの2文字目を読んでいく。
案の定、驚いた表情をする彼らに私は肩を竦めた。
「インターンが仕組まれたのは、きっとこの連絡があったから。No.3、わかりますよね？」
「…人使い荒いよな」
困ったように微笑むお父さんだったけど、その顔はどこか晴れやかだった。
きっと今まで疑問だった全てのことが解決できたんだろうな。
「じゃあ私はこれで失礼します」
「…待って」
溜に呼び止められて振り返った。
何だろうと首をかしげれば、彼はにっこり笑っていた。
「あんまり変わらないんじゃ、追い越すからな」
体育祭の時は“俺はいい”と言っていたのに。なのに。
「…上等。追い付いてみなよ」
ほんと、人って変わるよなぁ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 550人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゼロラク - 続き楽しみです (2022年5月1日 12時) (
レス) id: 3be08e9739 (このIDを非表示/違反報告)
美紅(プロフ) - 番外編の寮の部屋を見せる大会があるとか、轟くんの笑うために果物国会議員と水戸黄門とおくびょうなカーレッジくんとトムとジェリーのリクエストです (2022年3月19日 23時) (レス) id: 2c9c8b9b13 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 美紅さん» コメントありがとうございます。番外編のリクエストですね！ありがとうございます！！書かせていただきます！本当にありがとうございます！ (2022年3月13日 10時) (レス) id: 6f6e5985a0 (このIDを非表示/違反報告)
美紅(プロフ) - 合宿の時、ヴィラン連合に拉致された爆豪くんと夢主の救出に向かった留が仲間を加わり奪還編、留達の変装を着た オールマイトが勝った留と轟くんと再会した話です。 (2022年3月13日 2時) (レス) id: 2c9c8b9b13 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
