占ツクに宗教が出来上がったらしい(解体)

ほむぺ１ ページ15

授業後。私は女子Bちゃんと教室までの道のりを歩く中で、女子Cちゃんも占ツクをやっていたということを伝えた。

「へぇ〜っ、意外といるもんだねえ、占ツクユーザーって」

女子Bちゃんは素直に感心していた。しかし、私は曇った表情を戻しきれないでいた。
気付かれてしまったか、女子Bちゃんが唐突に私の顔を覗き込んできた。

「……どうしたの？女子Cちゃんが占ツクユーザーで、何かまずいかんじ……？」

歩いていた足は止まってしまった。
何故か、言い出しづらい。頭の中で言葉を整理した。そして再び歩き出すことを促しつつ、言った。

「女子Cちゃん、てんしさんのファンだって」

なんとなく声を潜めて言うと、女子Bちゃんは心底驚いた声を上げた。

「えっ、まさかとは思うけど、てんしさんへの批判意見をしゃべっちゃったわけではないよね？」

「それは流石に無いけど〜……」

でも何だか、女子Cちゃんは「信者」って感じではなかった。何故てんしさんのことが好きなのかも言わなかった。まあ、訊く気力も無かったけれど。

＿＿てんしさんに対するネガティブな話題ばかりを囁いてきたけれど、いざファンを目の前にすると、なんとなく罪悪感が沸いてしまう。

好き嫌いなんか人それぞれ、別に意見が衝突したわけでもないのに……。

「んー、でも、どうしてそんな話になったの？」

女子Bちゃんの声にはっとし、もやもやの中から引きずり出された。とりあえず、考えるのは後にしよう。

「えーと、好きな作者さんは誰、って話になって……」

なるほど、と女子Bちゃんは言った。その辺りの詳細を話すと、女子Bちゃんも「なんだか信者ではないっぽいね」と言った。
私は、頷くしかできなかった。

「まあ、それはいいか。てんしさん人気だもんね。それに……いくら騒動が多いからって、
皆がみんな、信者ってわけではないもんね」

彼女の言葉は、何故か私の心に深く響いた。
私は何か、思い違いをしていたらしい……。

もう、考える必要はなくなりそうだ。

「うん……そうだよね！」

「うんうん。……ところで、Aちゃんは、
好きな作者さん、誰って答えたの？」

突然話題を切り替えられた。いつの間にか、教室も目の前だった。

「それは……答えられなかった……」

「え？どうして？」

どうやら、この話題は長引きそうだ。席についてからも会話が止まる気配が無かった。

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