孤独なサモナー[8] (ページ14)

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Log427 マリエールside ページ14

どちらかと云えばお人好しで、風来坊の宿無しで、妙に老成していて、つかみ所はないけれど頼りになる、一人の〈付与術師(エンチャンター)〉に過ぎない。

それに考えている事は全く掴めず顔に出さない無口で美しい一匹狼の〈召喚術師(サモナー)〉。

そこが決闘の場ででもあるように、あるいはチェス盤の上ででもあるかのように、炎の意志で相手を追い詰めるあの鋼鉄の青年を誰にも考えを読まれずに助けていた女性を、私は知らない。

でも、うちらのこと助けてくれたんよね……。

両膝に顔を埋めたまま、いししし、と私は笑う。

シロエ、A、アカツキ、にゃん太。
そして直継。
あの頼りがいのある友人達は、〈三日月同盟(みかづきどうめい)〉にセララを取り戻し、そしてアキバの街には活気を取り戻してくれた。

自分たちには関係ないと切り捨てることが出来たにもかかわらず、その中で【最善】をどこまでも求めてくれたあの5人と、〈三日月同盟(みかづきどうめい)〉のギルドホールでお茶を飲みながらまったり過ごしていた5人は、まだ頭の中できっちりとは結びついていないけれど、それでも恩人であることには変わりがない。

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2019/11/12