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Aは、顔も知らない誰かの“雄英じゃん!‘という声に顔をあげて、目を見開く。

大きなモニターに相澤とブラドキングと校長が映っていて。それぞれスーツを着て、謝罪をしている。


…なに、これ。




「メディア嫌いの相澤先生が…」




大通りを歩いていた人たちは皆モニター前に集まって、その会見を食い入るように見つめていた。

記者は平然と質問しているように見えて、その言葉には悪意が隠されていて。




「…悪者扱い、かよ」




いつも温厚な緑谷がそう呟く。

周りには雄英への非難の声が巻き起こっていく。

私は、嫌な気持ちに包まれている。雄英が好きだから。




結果が全てなのだ。その前に作り上げてきた功績も、人のためにしてきたことも、全て無に還る。

記憶から、消えていく。

今までの世間の態度は豹変して、一気に悪者として扱われる。




苛立ちが募るのは、自分が当事者だから?
自分があちら側に居たら、雄英に入っていなかったら彼らと同じ反応をした?
大体守るべき人に苛立ちを抱いている時点でどうなの?

…記者を、憎く思ってしまうのは悪いこと?


オールマイトはどう思っているんだろう。私にはわからない、彼はこれを見て落ち着いているの?



悔しい。悔しいな。やっぱり私が動いていたら、爆豪を救えていたらこんなことにならなかったのに。





「…行きましょう、氷室さん」

『そうだね、』





行かなくちゃ。





____






大通りを外れ、郊外へ。発信機の示す場所へ、八百万のもつ端末に頼って進んでいく。

街灯も何もない路地にある、あの建物がアジトらしい。




「あれがアジト…いかにもだな」

「アジトかどうかは分かりません、ただ私が発信機で確認した限り…ヴィランは丸一日ここから動いていません」

『丸一日!?』


「ええ。しかしそのヴィランがここにいるからといって、爆豪さんがここにいるとは限りません。私たちが今どれだけか細い情報でここに立っているか、冷静に考えてみてください」

「この中には耳郎君や葉隠君のような、スニーク活動に秀でた者はいない。少しでも危険と判断したら、すぐ止めるぞ。友であるからこそ、警察への通報も辞さんからな」

「…ありがとう、飯田君」




できる範囲で、できることを考える。

ルールを破らず、爆豪を救出するのだ。







恐怖による支配→←雄英が大好きだから



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なんなん(プロフ) - 野菜さん» ありがとうございます><!!! (2021年9月12日 22時) (レス) id: dff1beac48 (このIDを非表示/違反報告)
野菜 - 主人公の段々強くなって行く姿が良い!! (2021年9月12日 17時) (レス) id: 0ac70a73d6 (このIDを非表示/違反報告)
なんなん(プロフ) - みかんさん» ありがとうございます!!励みになります◎ (2021年9月9日 23時) (レス) id: 03513d5678 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 1、2、3と読ませて頂きました!お話がいい感じに原作に沿っていてめちゃくちゃ好きです…!!お話の更新毎回楽しみにしてます! (2021年9月9日 16時) (レス) id: 113c0ba69b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なんなん | 作成日時:2021年9月9日 16時

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