07 魔王と少女 ページ7
「A〜引っ張らないでおくれ〜」
『嫌です』
UNDEADのレッスンを見学させてもらったあと、私は零兄を連れて家に帰ることにした。
『難しいかもしれないけど凛月兄は私が説得させるから』
「そっそれは嬉しいんじゃけど…」
早足で歩いていく私に引っ張られながら歩く零兄。2人で帰るのって本当に久しぶり。
…そうだ、リレーのこと話さないと。もしかしたら怒られる…かもしれないけど。零なら分かってくれるはず。
『そっそうだ、零兄。私ね、体育祭でアンカー走ることになったの。』
「走るって…リレーのことかえ？」
『そう、部活のリレーと…クラスリレー』
その瞬間、後ろにぐいっと引っ張り返されるのがよく分かった。力が強い。あぁ、ダメだったやつだ。
「それは…本気で言っておるのか？」
『本気だよ。』
「…A、お主は自分がどういう体質なのか忘れたのかえ？」
あっやばい…本気でやばい。これは相当キレていらっしゃる。周りが薄暗くてよく見えないけどこれはたぶん怒ってる顔をしてる。
『仕方がないでしょ、決まったことなんだから。…けど大丈夫、無理だと思ったら辞退するから。』
「そう言って中学の時も結局走ったじゃろ。…その後のこと、忘れたのかよ」
カバンを掴まれているせいで後退りができない。確かに言われてみればそうだ。もちろん忘れてなんかいない。
『忘れたわけない』
「なら…」
『…私が何をしようと零兄には関係ないでしょ。話した私が悪かった、早く帰ろ。』
「…」
あ、あれ…？
『零兄…？』
「…いや、やっぱり我輩学院に戻る。じゃあの、A」
『え！？ちょ、れっ零兄…！？』
あーあ…なにしてるんだろ、私。
『…』
何故か涙が溢れでてくる。
こんな所で泣いちゃダメなのに。零兄は私のこと心配してくれてただけなのに…どうしてあんなこと言っちゃったんだろう。
今も零が帰ろうとした時、引き止めて謝れば良かったのに。ダメだ、私何も成長してない。
「お、おい。お前…大丈夫か？なんで泣いてるんだよ」
顔を上げるとさっきのUNDEADのレッスンに来ていなかった人物…大神晃牙さんだった。目の前にいる彼の姿は制服ではなく私服で、わんちゃんが入った籠を持っていた。
『大神…晃牙…さん…？』
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冬乃(プロフ) - よっ！ (2018年8月30日 18時) (
レス) id: db15aabe3a (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - 面白い作品で好きです！あと、12話で英智さんのあだ名がエッちゃんじゃなくてセッちゃんになってますよ? (2018年8月19日 21時) (レス) id: 23ae3ada38 (このIDを非表示/違反報告)
リーリエ - とっても面白いです！続き楽しみにしてます♪ (2018年8月15日 17時) (レス) id: e54f7d496b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんごあめ | 作成日時：2018年8月2日 0時
