46 しっかりして ページ46
『とりあえず…零兄はこのまま安静にさせておいてください。夜になるまで待ちましょう』
私たちは吸血鬼だ。人間の薬は効かない。活動時間である夜を待つしか方法はない。
本当は血を飲んでくれたらいいけど…零兄は血が苦手だ。無理に飲ませる訳にはいかない。
『…両親には私から伝えておきます』
「A。朔間先輩は…大丈夫なんだろうな？」
『今は分かりません。けどたぶん…大丈夫です』
この事が一族の人達に知られたら…私たち3人はこの学院を辞めさせられるだろうな。
一族の…特に上級層はきっと人間をよく思っていない。零兄は分からないが凛月兄と私は一族に逆らう権利がない。
「朔間先輩を棺桶に運ばなくてもいいのか？」
『出来ればそうしたいです。けど…』
「なら俺が運ぼう」
おお凄い。乙狩先輩が零兄を軽々とお姫様抱っこした。…またお姫様抱っこか(2回目)。
「お、アドニスくん力持ち〜」
「羽風先輩、扉を開けてくれないか」
「え〜俺？仕方が無いな…」
仲いいな。本当にこの人たちは過激で背徳的なユニットなのだろうか。
「ちょっとくまくん。いい加減何か言ったらどうなの？！」
「せ…瀬名先輩、
「クソガキは黙ってて」
さて、次はこっちか。
『ねぇ凛月兄』
「…」
『何か言ってよ』
「…」
どうして黙っているのだろうか。
『凛月、零のこと…何か知ってるんでしょ？』
「…」
『話してよ、それとも私には言えない？』
お願いだから何か言ってほしい。すると凛月兄が諦めたように口を開いた。
「あの人、ここ最近ずっと体調悪かったの」
『ずっと…』
「ライブのこと何回か止めたけど…あの人の目は本気だった。体調のことは誰にも言うなって、俺は大丈夫だからって。
…というかみんなも薄々気づいてたでしょ。ここ最近ずっとあの人の顔色が悪かったこと」
周りが静かになる。あぁ、知らなかったのは私だけだったのか。
『…今日のことは外部に漏らさないでください』
このことを知られてはいけない。
朔間の一族は日光に弱いの者が多く、日が出ている間は外には出てこない。だが何処に隠れているか分からない。厳重な警戒が必要だ。
「やはりそれは
「もちろんそれもそうだけど…スーちゃん、俺達には色々あるの」
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冬乃(プロフ) - よっ！ (2018年8月30日 18時) (
レス) id: db15aabe3a (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - 面白い作品で好きです！あと、12話で英智さんのあだ名がエッちゃんじゃなくてセッちゃんになってますよ? (2018年8月19日 21時) (レス) id: 23ae3ada38 (このIDを非表示/違反報告)
リーリエ - とっても面白いです！続き楽しみにしてます♪ (2018年8月15日 17時) (レス) id: e54f7d496b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんごあめ | 作成日時：2018年8月2日 0時
