35 明日は ページ35
「ちょっとついてこないでよ」
「凛月〜…」
2人が2階から降りてきた。しょぼんとしている零兄。相変わらずだ。
「あ、3人とも。ちょっといいかの？」
そしてすごいスピードで立ち直った零兄。先程のしょんぼりはどこへ行ったのか。
「どうしたの？零」
「A、これは？なんて読むんだ？」
『
あぁ悪かった、と言って父はテレビを消した。何故テレビを消したのだろうか。
「あー父さん、テレビまで消す必要はないけど…」
「まぁまぁ、それでどうした？」
「はい、チケット3人分」
凛月兄が渡してきたのは明日のライブチケット3枚。関係者席と書いてあるものだった。
「関係者席みたいじゃな」
関係者席なら友達と会う心配はないだろう。あの人が言ってた楽しみにしておいてってこういうことか。
「関係者席なら俺達のことよく見えるね。エッちゃんに感謝感謝」
「我輩たちのライブ、楽しみにしておいてくれ…♪」
『うん…！』
やっぱり2人は仲が良いのだろうか。
「凛月、凛月♪明日は楽しみじゃの〜」
「…ん」
「絶対成功させようぞ♪」
「…ん」
前言撤回だ。母はそんな2人を嬉しそうに見ていた。
「なぁなぁA、これはなんて読むんだ？」
『
気がつけばテレビが付いており父は番組の続きを楽しんでいた。
「凄いなー、花にも詳しいのか！」
『…ありがとう。ほら、次の問題でたよ。鳥の名前…だって。読める？』
家鴨、鸚哥、鸚鵡、梟、鳩。最後だけ異常に難易度が低い。
「イエカモ、ハト。」
イエカモ…。そのままだ。
『
テレビに出ている有名大学卒の有名人たちはスラスラと答えていく。
「Aもこの番組出れそうだよな〜」
「ねぇなに見てるの？この番組。クイズ番組…？」
洗い物が終わったのか母もこっちに来た。
「あら難しい漢字…Aは読める？」
『うん』
「へ〜！すごいわね！！さすがA！」
うわ〜全く分かんない、日本語難しいわ、と1人で呟き始めたお母さん。確かに日本語は難しい。
「Aの記憶力えぐいもんねぇ」
「才能というやつかもしれんのう」
後ろから兄2人の声が。
その瞬間思い出した。言わなきゃ行けないことがあるんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 219人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
冬乃(プロフ) - よっ！ (2018年8月30日 18時) (
レス) id: db15aabe3a (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - 面白い作品で好きです！あと、12話で英智さんのあだ名がエッちゃんじゃなくてセッちゃんになってますよ? (2018年8月19日 21時) (レス) id: 23ae3ada38 (このIDを非表示/違反報告)
リーリエ - とっても面白いです！続き楽しみにしてます♪ (2018年8月15日 17時) (レス) id: e54f7d496b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りんごあめ | 作成日時：2018年8月2日 0時
