17 話がしたいんだけど ページ17
今日はいつも通りの朝ではないらしい。
『…あの、何の用ですか？』
「ちょっと話がしたいんだけど。いい？」
家を出ると人気モデル、瀬名泉が立っていた。周りからの注目は避けたい。用があるなら凛月兄か零兄通してほしい。
『…別にいいですけど』
「あー、歩きならがら話さない？普通科とアイドル科って近いでしょ」
『…構いませんよ』
いやいやいや、モデルの隣に歩くとか無理なんですけど。なんて言えたらいいんだけどそうはいかない。
「昨日はあの人ごみの中で声掛けちゃってごめんね。困ったでしょ」
『…いろいろ友達に聞かれましたけど…大丈夫ですよ』
この人はわざわざ謝りに来たのだろうか。別に気にしてなかった…というか忘れてたのに。
「…自分で声掛けといてあれだけど、本物に朔間の妹なんだよね？」
『はい。椚先生と佐賀美先生なら私のこと知ってると思いますよ』
「…くまくんと朔間のプロフィールに妹がいるなんて書いてなかったけど」
2人は私のことを世間に公開していない。アイドル科で私の存在を知っているのも数少ないだろう。
『家の事情ってやつです。けどちゃんと血は繋がってますよ。』
「ふーん、じゃああんたも吸血鬼とか言うやつなの？」
『…そうですよ。実際、こうやって日傘さしてますし』
またふーんと言い出す瀬名先輩。これはもしや学校に行くまでこのままなのだろうか。それは無理、どうにかして離れないと。
「まぁ確かにこう見るとあんた、美形だよね。あの朔間の兄弟と似てるかも。」
近い。先輩、顔が近いです。
この人は何を言っているのだろう。瀬名先輩の方が何倍も美形だ。手入れされているのであろう先輩の肌はそこら辺の男子高校生と比べ物にならないレベルで美しい。
「兄2人がアイドルだし…そのうち芸能界入ったりするの？」
『いえ、そういうつもりは一切ないです』
「へ〜勿体ない。あんたなら人気でそうなのに」
『…ありがとうございます』
早く離れなきゃ。普通科の生徒と会う前に…
「じゃあね、朔間の妹。俺、こっちに用があるから」
『え？あ、さようなら…』
瀬名先輩の方から離れてくれた。これはラッキーだ。というかそっちは駅の方面…誰か待つのかな。
「A〜！！おっはよー！」
『あ、ルナ。おはよう』
ぼーっと考えていると後ろからルナが走ってきた。どうやら瀬名先輩といた所は見られてないらしい。とりあえず安心だ。
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冬乃(プロフ) - よっ！ (2018年8月30日 18時) (
レス) id: db15aabe3a (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - 面白い作品で好きです！あと、12話で英智さんのあだ名がエッちゃんじゃなくてセッちゃんになってますよ? (2018年8月19日 21時) (レス) id: 23ae3ada38 (このIDを非表示/違反報告)
リーリエ - とっても面白いです！続き楽しみにしてます♪ (2018年8月15日 17時) (レス) id: e54f7d496b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんごあめ | 作成日時：2018年8月2日 0時
