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14 恋バナと ページ14

「ねぇA〜、本当に好きな人いないのぉ?」

『だから!いないって!』

「うっそだぁ、母さんの目は騙せないぞぉ!」


これは相当酔っ払ってる。顔を真っ赤にしてフラフラしている母は私に恋バナをさせようとしているのだ。


「あれれぇ?A、顔真っ赤よぉ?やっぱり好きな人いるんでしょ〜?」


顔が赤いのはお母さんの方だ。


「あぁ!好きな子が出来たから雰囲気と口調を変えたんでしょ〜?」

『違います〜。これには…』

「これには〜?」

『…秘密!ほら、水飲んで!』


え〜ケチ!と言いながら水を飲む母。勝手に好きな人がいることになっているがまぁ明日になったら忘れてるだろう。

私が雰囲気と口調を変えた理由…。


「それにしてもA〜、どうして夢ノ咲学院に入ったのぉ?Aならもっと偏差値の高い学校に入れたでしょ〜?」

『だからお兄ちゃんと同じ学校に入りたかったからって…前にも言ったでしょ』


そうだっけぇ?と言う母。いつもと違うフワフワした口調。これはもうダメだ。


「母さ〜ん、A〜、こっちで去年の零のライブ映像見ないか〜?」

「見る見るぅ!行きましょ、A!」

『え、え?』


母に引っ張られてテレビの前に家族全員集合。零兄は恥ずかしいのか手で顔を隠している。


「この時の零はぁ今よりロックよねぇ」

「零、かっこいいぞ!」

「も、もうやめておくれ…」


私が言えることじゃないけどこの時の零兄は今と全然違う。


「Aも去年までは零と似たような感じだったよな」


なぜ私の話題になるのか。ニヤニヤしながらこちらを見る両親。


「そうそうー!成績優秀だったのに不良少女!」


中学の先生に呼び出されて言われた言葉。不良なんて卒業しろ、いいことないぞって。何も知らないくせに口を挟まないでって感じ。


「A、高校入学と同時に別人みたいになったよね〜」

『別人って…いつも結んでた髪をおろして不良を卒業しただけなんだけど』

「父さんは嬉しかったぞ♪」

『はいはい』


変わったのは外見だけだ。中身はちっとも変わってない。ううん、変わろうとはした。でも変われなかった。零兄は…どうなんだろう。


「ちょっと零ぃ?勝手にテレビ消そうとしないでぇ」

「そういうところだと思うよ〜兄者」

「みんな酷い…」


いつもと違う賑やかな夜。ずっと続いて欲しいけど残念ながらそうはいかない。

そう、明日は休みではなく学校だ。

15 《お願いだから》→←13 朔間家は



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設定タグ:あんスタ , 朔間兄弟 , 大神晃牙   
作品ジャンル:恋愛
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冬乃(プロフ) - よっ! (2018年8月30日 18時) (レス) id: db15aabe3a (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - 面白い作品で好きです!あと、12話で英智さんのあだ名がエッちゃんじゃなくてセッちゃんになってますよ? (2018年8月19日 21時) (レス) id: 23ae3ada38 (このIDを非表示/違反報告)
リーリエ - とっても面白いです!続き楽しみにしてます♪ (2018年8月15日 17時) (レス) id: e54f7d496b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りんごあめ | 作成日時:2018年8月2日 0時

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