どんな君も好きだけど__izw. ページ5
今日は、伊沢さんの久しぶりの休み。
本当はゆっくりしたいはずなのに、「 休みの日、一緒にどこか行こうか。 」って。
片手でハンドルを握りながら運転をしてくれている伊沢さんを横目に、その言葉を思い出しては自然と顔が綻んでいた。
「 A、今日ご機嫌だね。 」
伊沢さんは前を向いたまま、私にそう問いかけた。
『 えっ、ニヤけてました?……恥ずかしい。 』
「 ニヤけてたというか、なんかすっげぇ笑顔だったからご機嫌なのかなって。 」
「 鼻歌も歌ってたし(笑) 」って、ちょっとだけ笑われた。
鼻歌は完全に無意識だし、なによりも伊沢さんと一日一緒にいられるのが嬉しかった。
『 ……伊沢さんとお出かけできるのが嬉しくて…。 』
「 うわ、ちょっと車止めていい??めっちゃ抱きしめたい、うわ。 」
『 今はだめです。 』
「 今は?今はって言った?後でならいいの? 」
『 お家でならいいですよ。 』
「 よっしゃ 」と小さく空いた手でガッツポーズをして、少しだけスピードを早めた。
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お店に着くと、2人が共通して好きなお店の、本屋さんや、雑貨屋さんをゆっくりと回った。
「 A、もう行きたいところとかないの? 」
『 あー、えっと…。 』
本当は化粧品を見たりしたかったけど、きっと伊沢さんは疲れてるだろうし、化粧品は家の近くのドラッグストアでも見られるし。
『 …はい!大丈夫です!今日はお家に帰ってゆっくりしましょう? 』
「 …嘘ついてる。 」
『 …え? 』
「 ずーっと言ってなかったけど、Aが嘘つく時、目泳がせて髪の毛耳にかける癖あるの、気付いてた? 」
『 …えっ、全然、知らなかった、です…。』
「 でしょ?で?何を見たいの? 」
『 …えっ、と…化粧品、ちょっとだけ見たくて……でも。 』
「 化粧品?いいよ、行こうよ。下着とか言ったらちょっと悩んだかもだけど(笑) 」
こうして、伊沢さんは疲れている自分の体よりも、いつも私を優先してくれる。
「 まぁ、もし下着屋さんって言ってても、俺がAに似合うやつ選んであげるけどね。 」
『 …伊沢さん、変態。 』
「 男はこんなもんだよ、ほら、行こう。 」
そう言って、伊沢さんは私の手を取って歩き出した。
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アルコン型(プロフ) - こんばんは!いつも楽しく読ませて頂いています(*^-^*)最高の作品ばかりで何度も読み返しています。厚かましいとは思いますが、リクエストしても大丈夫でしょうか?(´・ω・`) (2019年12月29日 22時) (レス) id: 7d2d99b638 (このIDを非表示/違反報告)
サツラ(プロフ) - Rika1722さん» うわー、嬉しいです( ; ; )素敵な夢が見られるような小説が書けていたら幸いです!! (2019年9月12日 15時) (レス) id: e4eef8aaeb (このIDを非表示/違反報告)
Rika1722(プロフ) - 最高です…。寝る前に読ませていただいています!いい夢が見れる気がして笑 (2019年9月12日 0時) (レス) id: a257df45f5 (このIDを非表示/違反報告)
サツラ(プロフ) - まっちゃさん» 嬉しいです(>_<)ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2019年9月8日 23時) (レス) id: e4eef8aaeb (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ(プロフ) - 短編集も最高ですっ!これからも楽しみにしてます(^^) (2019年9月6日 21時) (レス) id: 6d7b57be72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サツラ | 作成日時:2019年9月5日 22時