検索窓
今日:13 hit、昨日:23 hit、合計:247,920 hit

紳士__sgi. ページ1

しまった、やってしまった。

いつも買うお酒と、好きなおつまみ。
それを買う分だけ財布に入れてきた。

でも、どうしても食べたかった新作のシュークリームが目に入っちゃって、お金も足りないのに、何故かレジに持って行ってしまった。



なかなか財布からお金を出そうとしない私を見つめる店員さんと、ただただ戸惑う私。

でもお金が足りないからには買えない。



『 …あ、これやっぱり…… 』

そう言って、目の前にあるシュークリームをやめようとした時だった。



「 ちょっと、何で置いてっちゃうわけ? 」



背の高い、髪の毛がふわふわしたお兄さんが、ニコニコしながら自分が持ってきたお酒を出した。



『 えっ。 』

つい、声を漏らすと、「 いいよいいよ 」って口パクで私にそう伝えた。


彼はサッと支払いを済ませて、ビニール袋には私とお兄さんの分のお酒とおつまみが入っていた。





「 はい、どうぞ。 」

『 …すみません、本当に。 』

「 困ってる人を見つけたら助けたくなっちゃうもので。 」



そう言って笑う彼は、とても紳士だった。



『 あの、またお礼させてください。 』

「 そんなのいいのに。 」

『 いえ、私がしないと気が済まないんです…。 』

「 うーん、じゃあ、またお酒1本買ってよ。 」

『 そんな事でいいんですか…? 』

「 ほら、次会うための口実、的な? 」









その時、『 もっと彼を知りたい 』と、そんな感情が芽生えた。


『 あの、お名前教えていただけませんか? 』








「 俺?須貝駿貴っていいます。 」

『 須貝…さん。 』









「 うん、また会えたらよろしくね。 」









" Aちゃん "


私の名前を呼ぶと共に、私の頭に乗せられた大きな手の温もりがなんだか気恥ずかしくて、その時は気付かなかった。

何故、彼は私の名前を知っていたのか。









でも、それはまだ、先のお話。

再熱__kwkm.→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (232 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
726人がお気に入り
設定タグ:QuizKnock , QK , 短編集
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

アルコン型(プロフ) - こんばんは!いつも楽しく読ませて頂いています(*^-^*)最高の作品ばかりで何度も読み返しています。厚かましいとは思いますが、リクエストしても大丈夫でしょうか?(´・ω・`) (2019年12月29日 22時) (レス) id: 7d2d99b638 (このIDを非表示/違反報告)
サツラ(プロフ) - Rika1722さん» うわー、嬉しいです( ; ; )素敵な夢が見られるような小説が書けていたら幸いです!! (2019年9月12日 15時) (レス) id: e4eef8aaeb (このIDを非表示/違反報告)
Rika1722(プロフ) - 最高です…。寝る前に読ませていただいています!いい夢が見れる気がして笑 (2019年9月12日 0時) (レス) id: a257df45f5 (このIDを非表示/違反報告)
サツラ(プロフ) - まっちゃさん» 嬉しいです(>_<)ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2019年9月8日 23時) (レス) id: e4eef8aaeb (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ(プロフ) - 短編集も最高ですっ!これからも楽しみにしてます(^^) (2019年9月6日 21時) (レス) id: 6d7b57be72 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:サツラ | 作成日時:2019年9月5日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。