02. ページ2
.
俺はその黒髪の女性に思わず見惚れてしまった。
ロングとまではいかないが、それなりに長い髪に、反射で見えたが、黒いスーツ。
OLさん?
窓に寄り掛かって眠っている様子。
なんか、似てる…
幼馴染に。
…気のせいか。
前を向き、スマフォの画面に視線を落とす。
バスに揺られること、20分。
俺が降りる場所で丁度終電の時間…なんだが。
降りようとすると、後ろにはまだ寝ているOLさんの姿があった。
うらた「あ、ちょっと…すいません」
運転手に声を掛けて、少しの間止めてもらう様に、言った俺は、後ろの方で寝ているOLさんの方に近付いた。
うらた「あ、あの…」
「ん…んー……」
唸ってないで、頼むから起きてくれ。
うらた「もう終電ですよー?」
「かちょー…や、す…み……zzZ…」
頼むから、起きてくれ!!!
運転手「あのー…まだですか?」
うたら「あ、待ってください!!
もう、降りるんで!!」
慌てて、俺はOLさんをおぶって、バスを降りた。
うらた「っはぁ…」
プシューッ…と音を鳴らし、扉が閉まったバスは走り去っていった。
俺と、OLさんはというと、未だ気持ち良さげに寝ているこの人をベンチで寝かしたところだった。
寝かす際、ベンチが固いもんだから、頭をぶつけてしまったことは、口が裂けても言わない方がいい気がするな。←
「ん、んん…んー…」
それにしてもよく唸るもんだわ。このOLさん。
四席の内の、三席はOLさんが寝てるのに使って、残りの一席に座っているのが俺。
スマフォの画面に映る、LOSTの文字。
うらた「ま、負けた…」
肩を落としていると、
「わ、た…る…」
寝言で、そう聞こえた。
彼氏かなにか…って、ちょっと待て。
……ん?
今、この人、“わたる”って言ったか?
…いや、気のせいか。
んなわけないか。
そんな、訳、ないよな。
「…ん、……んー…ん?」
バチッと目が合い、
うらた「目、覚ましました?」
その人は驚いていた。
と、思ったら、勢いよく起き上がり、頭を下げてきた。
「あ、あ…す、すすすすいませんっ!!
私、寝てて…ホント、すいませんでしたっ!!
でも…あれ?私、バスの中に…」
うらた「ここ、終電の場所なんですよ。
俺、ここ丁度降りるとこで、おぶって降りてきたんですよ」
「そ、そうなんですか…すいません。
って…ここどこですか?」
うらた「○○ですけど…」
「ヤバイ、私…帰れない」
…え?
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 174人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
引きこもり桜花 - チェストさん» あっ！当たってましたか、良かった〜 (2019年8月6日 21時) (
レス) id: 00eb86a474 (このIDを非表示/違反報告)
チェスト(プロフ) - 引きこもり桜花さん» そうですwチャンカパーナですw更新頑張ります! (2019年8月6日 20時) (レス) id: 579d6c2eb3 (このIDを非表示/違反報告)
引きこもり桜花 - 最初にうらさん視点で「夢主に会いたいな」って書いてあって、次に夢主ちゃん視点で「渉に会いたいな」って書かれてたじゃないですか！そこの表現が素敵で一番好きです！面白かったので更新頑張ってください！(テーマの曲ってチャンカパーナですか？) (2019年8月6日 19時) (レス) id: 00eb86a474 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：チェスト
| 作成日時：2019年8月5日 1時
