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馬鹿げた話なら思い浮かんで、言葉に出来る。
けど、キミに伝えられない三文字がある。


俺、川西太一には好きな人がいる。
ソイツの名前は入野A。

入野は中学時代からの同級生で、なんで白鳥沢に来たかは知らない。

聞くにも聞けない。
だってもし、好きな人がこの高校にいるから的なの聞いたら俺どうすればいいか分かんないし。

「ねぇ、川西」
川西「んー?」
「なんで川西はこの学校に来たの?」

バレー部に入ってる奴は白鳥沢に来た理由は大体決まってバレーが強いからとかそんな感じだけど。
俺はそうじゃない。

確かにバレーもあるけど、俺は入野が白鳥沢に入ると聞いてこの高校を選んだ。
もちろん入野自身に。

俺はお前が白鳥沢に行くって言ったから、という言葉をグッと堪えて呑み込んだ。

こんなことを言えばキミはどんな反応をする?

ある日のこと。
入野が、三年の先輩と楽しそうにしているところが目に入ってしまった。

一瞬、息が、止まりかけた。
ひゅっ…呼吸しようと、空気を吸った。
けれど、なにかが変わる訳ではない。

現状が、目の前の光景が。
耐え切れなくなった。

思わず俺はその場から逃げ出した。
頰を赤くして、楽しそうに話す、入野の姿が頭から離れなかった。

どうしても、あの笑顔を独り占めしたかった。

放課後、俺と入野は日直の仕事をしていた。
そして今日は部活もオフだからゆっくり出来る。

でも、こんなに頭がごちゃごちゃで
整理しきれてない。
こんなんじゃ身体も心も休まらない。

考えて、頭から離れない。

「黒板も日誌終わったし、帰ろ…ってそっか。川西、寮か」
川西「そうなんだよ…なぁ、入野」

「んー?どした?川西」

たった三文字。
そうだ、たった三文字。好きだって。
たったそれだけのことだろ?なぁ、 臆病な俺。
そうだ、返事は要らないって言えばいい。

返事は要らない。
だから、だから、早くっ…言葉を、

川西「あのさ、…」


早く、早くっ…!!!!


川西「送るから、コンビニ寄らね?」
「あーいいよ」
川西「丁度、肉饅食べたくてさ」

「確かに、食べたい」
川西「奢らねーからな」
「えー」



入野の一歩後ろを歩く俺は無意識に入野の隣を歩くことを躊躇していた。






微かに俺の頰にリネアが伝ったのは、気のせい?









F in .

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卯月 - あああああああ川西君好きだあああああああ!夢主ちゃんとくっついてほしいです!一話完結って気軽に読めて凄く良いですね!ありがとうございます! (2019年5月1日 22時) (レス) id: ac010926fb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:チェスト | 作成日時:2019年4月26日 22時

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