さよなら、夜明け。 ページ7
＊赤葦side
そして卒業式当日。
夜明け前に制服でプールサイドに座っている俺。
なにやってんだろ…
去年の先輩方には悪いけど、そこまで悲しいって思えなかったもの確かだが、今年は悲しくなる。
よく、分からないけど。
夜明け前にこんなことをしてる自分が分からない。
引退式があった日の帰り道。
水たまりに映る一輪の花を見た。
枯れそうだった。
でも、その花は次の日また咲いていた。
そのことをよく覚えている。
両手で泣き顔を覆い啜り泣く。
こんな日がこないままの空を描いたら、アナタは俺を笑いますか？
こんな臆病な俺を笑いますか？
溢れてくる感情の名前を知りたくない。
知りたくもない。
でもきっと分かってる。
自分の中で気づいてる。
だから誰も言わないでほしい。
自分で分かってるから。
そんなこと分かりきってるから。
だから教えないで。
知らせないで。
分かりたくないんだ。
どうしても、分かりたくない。
赤葦「俺に…トス、上げさせてくださいよ……」
ポツリと呟いた一言は掻き消される筈だった。
それなのに…
？「何度でも打ってやるよ！あかーし！」
赤葦「…えっ」
俺は覆っていた両手を顔から離した。
視界に入ったのはバレー部の人達だった。
赤葦「な、んで…」
木葉「赤葦、最近様子おかしかったしな。
卒業式今日なのになんかギクシャクして終わったら後味悪いし、…それに
あんまゆっくり話してなかったしな」
小見「そうだな〜
受験、受験ってあんまし、喋れてなかったもんな」
木兎「あかーしさ、
寂しくなったりするとここくるじゃん？」
赤葦「！！」
木兎「と、思ってここに来たらやっぱいた！」
赤葦「…ゔぅ……」
また涙が溢れ出す。
こっちだって後味悪いですよ。
一人で思い出して、泣いて。
卒業なんて避けては通れないのを分かっていたのに分かろうとしなかった。
結局自分が全部悪かったんだ。
俺のとなりに木兎さんが座る。
そのとなり、そのまたとなりとプールサイドに座っていく。
ああ…最後なんだ。
さよなら、青春。
さよなら、木兎さん。
さよなら、夜明け。
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瑠璃葉(プロフ) - 夜明けと蛍聴きながら、読みました。赤葦の気持ちも木兎さんたちの気持ちも、わかるのですごく泣きました。 (2019年3月16日 17時) (
レス) id: 603a824da9 (このIDを非表示/違反報告)
ーーー - これ、夜明けと蛍のやつですかね？っていうか初っぱなから泣きっぱなしです。もうヤバイやっぱり一番複雑なんでしょうね。赤葦 (2019年1月31日 21時) (レス) id: 8c9efd1690 (このIDを非表示/違反報告)
宵月(プロフ) - 夜明けと蛍(ガッショー!!のやつ)を見てから読んだので、めちゃくちゃ泣きました……！3年生が卒業したとき、1,2年生の中で1番複雑な気持ちになるのはやっぱり赤葦なんでしょうね……。 (2019年1月12日 21時) (レス) id: 5b8af0e953 (このIDを非表示/違反報告)
桜庭暁(プロフ) - つい先日、部活の先輩達が引退しました。このお話を読んで旅立つ者の想いと、残される者の想いを強く感じ、とても感動しました。 (2018年11月29日 22時) (レス) id: ab5fb01835 (このIDを非表示/違反報告)
プリン(プロフ) - めっちゃ涙が出てきました！赤葦の気持ち本当にわかります…（泣）涙がポロポロ出てきますね。 (2018年11月2日 21時) (レス) id: 8a8078ca71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チェスト
| 作成日時：2018年10月25日 19時
