少女Kの透明理論。【歌い手】

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うらたぬきside

朝、起きると何だか嫌な感じがした。

気のせい。…ではない。

俺のとなりの部屋にはAが居る。

…本当にAは居るのか？





俺は自分の部屋を出てAの部屋のドアを______

うらた「えっ…嘘、だろ……なんで、いつも鍵掛けてんのに…開いて…っ！？」

俺は目を見開いた。


その部屋にAは居なかった。


床に落ちているカッター。

少し飛び散った血。


彼女がこの部屋で何をしていたのかが分かってしまう。


うらた「なんで…なんでっ…嘘…嘘だ」

居る。

絶対Aは…


この家にっ…


俺は家中を探し回った。

リビングも、

お風呂場も、

他の皆んなの部屋も。


でも何処にも



Aは居なかった。


そらる「うらたくん…朝からどうしたの？
なんか焦ってるけど」

うらた「…ど、うしよう……そらるさん」

そらる「えっ？」


うらた「Aがっ！！Aが居ないんだ！！」

そらる「えっ…嘘……うらたくん、そう言う冗談はよくないよ、」

うらた「部屋にも居ない！！
この家中を探し回ったのに居ないんだ！！」

そらる「Aは部屋に…っ！？」


俺は顔を俯かせた。


そらる「うそ…だ、よね…？…」


まふ「そらるさん達どうしたんですー？
朝からそんなはしゃいで…えっ？」

坂田「まふ？どうした…嘘やろ…」


部屋は空っぽ。



それはまるで…





荒れ果てた荒野。



俺が見た光景を今、この瞬間、



皆んなが目にしたんだ。








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