第29話 ページ30
結局あの後は特に何事もなく湿原を走り抜けた。
サ「皆さんお疲れ様です。無事、湿原をぬけました。
ここ、ビスカ森林公園が二次試験会場となります。それじゃ私はこれで。」
「健闘を祈ります」それだけ言ってサトツは姿を消した。
周りの大人たちは殆どが汗だくで息切れもしていたが、数名と水華とキルアは余裕そうに佇んでいる。
キルアと水華に至っては顔を顰めて不満をこぼしていた。
『むん！たったこれ程しか走らないのか！！』
キ「ホントにな。つまんねーの」
森林公園にある小屋のような建物には、【本日正午 二次試験 スタート】と書いてあり、上の方には時計も掛かっている。
中からは怪獣の唸り声のような音も聞こえる。その唸り声が〈飢餓状態〉になり、理性を失った鬼の唸り声に酷似していて、水華は少し身構えていた。
｟〈飢餓状態〉になるくらい弱い鬼…恐らく下級鬼だろう。だとしたらこの場に居る数人はトドメが刺せずとも大丈夫そうだな。2人くらいか？その2人は“念”も使える様だし…もしかしたら“念”で倒せるかもしれない…｠
一人でうんうん考え出した水華を放っておいて、キルアは駆け込んできたゴンの方へ行ってしまった。
まだ鬼がいるという確証もなく、ただ憶測でしか無いのに何があっても良いよう対策を立て、脳内シュミレーションやらを繰り返している。一種の職業病だろう。
｟ううむ…庇わなくても大丈夫そうなのはその2人と、他数人くらいか……｠
ゴ「ねぇ、水華」
｟その他を全員庇いながらトドメを刺して……中にいる数にもよるが｠
ゴ「水華？水華ー」
｟水の呼吸の生生流転で纏めて切るか…｠
ゴ「水華ってば！！」
『んっっっ！？！？』
キィン、と耳に響いた大きな声はゴンのものだった。いくら考え事をしていたとは言え、ゴンの気配にも気付けなかったとは…。と水華は頭をかく。
それはともかく、ゴンはむぅっと可愛らしく拗ねている。水華が気付かず無視してしまったせいだろう。
水華が笑って「すまない！」と言うとゴンもパッと笑って許してくれた。こういう素直で可愛らしいところを見ているとまるで弟が出来たようで、水華は顔を綻ばせた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 231人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
むむ(プロフ) - キナコモチさん» キナコモチさん落ち着いてください…私も似たようなテンションなんですから……続☆編です！！ひゃあああああああ頑張ります！！ありがとうございます！ (2019年10月6日 12時) (
レス) id: 88d277cac2 (このIDを非表示/違反報告)
むむ(プロフ) - 麗奈さん» 可愛いよな……(真顔)続編喜んでいただけて嬉しいです！頑張ります！ (2019年10月6日 12時) (レス) id: 88d277cac2 (このIDを非表示/違反報告)
キナコモチ - 続☆編ｷﾀｧｧｧｧｧｱｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧ!!!!!!!!!щ('∀')щｳｨｰｰｰ (2019年10月6日 11時) (レス) id: a8b1629d5b (このIDを非表示/違反報告)
麗奈 - 続編(ﾟ∀ﾟ)ｷﾀｺﾚ!!、水華可愛い…(真顔 更新頑張ってください。 (2019年10月6日 11時) (レス) id: 91fcdb8923 (このIDを非表示/違反報告)
キナコモチ - 大丈夫だと思っておきますね！ (2019年10月3日 16時) (レス) id: a8b1629d5b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：むむ | 作成日時：2019年6月29日 22時
