選ばれし者とその妹 (ページ25)

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Story 24 ページ25

次の日の魔法薬の授業で、スネイプは開口一番に問題を出した。

「縮み薬を調合するのに必要な材料は何か、分かる者は？」

　すると二人の手が同時に上がった。ハーマイオニーとAだった。
　スネイプはAを見て僅かに眉を上げたが、相変わらず何も見ないふりをした。何となく予想はしていたが落胆したAはハーマイオニーが挙手し続ける中、元気なく手を降ろした。すると思いがけず彼はAを指名した。

「ではミス・ポッターに答えてもらおう」

「え？は、はい！用いられるのは雛菊の根、萎びイチジク、死んだ芋虫、ネズミの脾臓、ヒルの汁、ドクゼリに煎じたニガヨモギです」

　スネイプが感情の読み取れない声で「正解だ」と言うと、生徒たちは感心した声を上げた。
　答えられると分かった途端、Aもハーマイオニーと同様に挙手してもスネイプに無視されるようになったが、それからほとんどの授業で二人は競い合うようになった。みんなはそれを面白がり、特にロンやシェーマスなどは授業のたびにどちらが先に得点を稼ぐか賭けたりもしていた。
　一度認められるともっと上に行きたがるもので、どうしてもハーマイオニーに及ばないことに悩んだAは各寮の得点を表す砂時計を見上げるたびにため息をつくこともしばしばあった。

「ミス・グレンジャーといい勝負のようですな」

　通りかかったスネイプが言葉を投げかける。いつもなら彼に対して必要以上におどおどとした態度を取るAだったが、この時は上の空だったもので「そうですね、負けてますけど」と感情の籠っていない声で答えた。
　特に及ばなかったのは杖を使う実践で、呪文学ではそれが顕著に見て取れた。