キスの小話。#Both ページ6
【メガネ】西郷さん
「あっ…」
キスをしようとしらカチャッと何かがぶつかる音がした。
「あっ…ごめん」
邪魔だよね。そう言いながら西郷さんは分厚いメガネを外そうとした。なんだかその仕草がとても可愛くてつい煽ってしまった。
「ねぇ、西郷さん?キスが上手な人ってメガネかけてても上手いんだって。」
「…へぇ、じゃあ私が上手くなるまで付き合ってくださいね。」
【37.5℃】坂本さん
「あー。こーれは完璧に風邪だね!!」
「でもまだ微熱じゃん」
「されど微熱だね」
でもさ、坂本さんはそう言って私に近づいてきた。
ガタッと言う物音が空気を変えた。
「え、ぇっ、と、あの」
「…」
だんだんと距離が詰まっていく。だんだんと血液が沸騰してくる。目眩がするほどくらくらしてる。
きれいな顔が近づいて、唇が触れる。
「…移る、よ」
「もう移ってる。」
坂本さんの顔は真っ赤だった。
【誘ってきたなどと供述しており。】西郷さん
「いや。普通にそこはアカンと思わん?」
「あーうんうんw」
「ほんまムカつくわぁ、折角大阪出て
「まぁまぁ、坂本さんも忙しい身ですし、」
「そう言えば西郷と坂ちゃんって彼女とかいるの…」
「いやどっちもいないけど」
「ふーん…」
「Aは、いるの?」
「おったらもう言うてるし、唇だってとーに奪われてますぅ〜」
「誰にさ」
「今日から彼氏になってくれた人に」
潤った唇と綺麗な目が私を見た。
我慢ができなかったというのが動機。
誘ってきやがった。ってのが建前。
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作者名:のりこ | 作成日時:2018年4月17日 7時