純愛#西郷さん ページ5
「ちょっと待ってよ」
「う、うるさいな!もう別れるって言ってんじゃん!離れろよ!」
これで、10回。君を振った男の数。
君の周りは利己主義が多い。可哀想。そうは思わない。寧ろ好都合だ。きっと君は次に僕に電話をかけ、
「ねぇーーーー!!!西郷ーーー。?!!だずげで…また振られたってぇ、」
「あらら笑、じゃあ慰めに君の部屋に行きましょうかね?」
「うーん。今外だし、」
知ってる。
「新しいカフェのケーキも食べたいんですよね??」
「そうなの!!!!西郷わかってる!!」
「この前酔ってた時に言ってましたもんね。」
飲みに行ったのは1週間も前だけど。
「やっぱり西郷はすごいや。でもケーキはいいや愚痴りたいし…夜一緒に家で呑もう??」
「…ええ勿論です」
この先には一向に行けない。それでもいい。それでも君が僕を頼り、無しではいられない。そんな存在になれば君は僕を一向に離さないだろう。ああ、気持ちいい。たまらない。
ん?そういえば家って、家って言ったか?
「あの、A…?宅呑みするんですか?」
「うん、西郷もそのほうが楽かなぁって」
いやいやいや待ってくれ。Aの家ってAの家って!えっいいの??そんなこと、えっ?!いいの??
「いいんですか??やっぱり僕の家で」
「…私の部屋じゃダメ?」
「えっあっいや、ぅ、その、、いいと、思います…ハイ」
「じゃあ!今日6時に私の家ね!!高校生とはいっても遅くまで私の家になんかいちゃダメだしね!!!!」
「そっ、そんなこと…!なんなら泊まったって」
「じゃね!」
「あっA…」
電話の切れたケータイを見て僕はまたため息をこぼす。
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作者名:のりこ | 作成日時:2018年4月17日 7時