プロローグ ページ4
男は豪雨の中、息を荒げて走っていた。どこか身を隠せる場所はないかと探し、近くにある路地裏へと入り物陰にしゃがみ込んで息を殺す。男は何かに怯えている様子だ。
男がしゃがみ込んだ直後、バシャバシャと何かが追ってくる足音が聞こえてきた。男は息を呑み、物陰から少し顔を出して音のした方をを見る。
雨のせいでよく見えないが、足音を鳴らした人物は辺りを見渡して男を探しているようだ。そして路地裏の方に振り返り男が隠れている物陰の方へと向かってきた。
男は咄嗟に顔を引っ込め、ここからどうやって逃げようか必死に考えた。その間にも足音は近づいてきて、男が隠れている場所の近くで止まった。
男が諦めかけたその瞬間、ピリリリッと音が鳴り、やがて足音は遠ざかっていった。男は安心して立ち上がり、ゆっくりと歩きながら携帯電話を取り出し電話をかける。
「もしもしボス?例の刀手に入れましたよ!売ったらきっと大金になりますね!今から隠れ家に戻り……っ!?」
男はボスと呼ばれる人物と会話している途中で突然話すのをやめ、目の前に降ってきた何かに驚き肩を震わせた。
降ってきたのは先程どこかへ行ったと思っていた人物だった。男はその人物が漂わせる不気味な雰囲気に恐怖を覚え、むきになり声を荒げ、その人物へと殴りかかろうとする。
「てめぇ…一体何者なんだよ!!??」
男の拳は空を切り、次の瞬間男の目に写ったのはたくさんの雨を降らせている暗い雲。男は一瞬何が起きたのか分からなかった。自分の目に雨が落ちてきたことで男は自分が倒されたのだと気付き、すぐに起きあがろうとしたがそれは叶わなかった。
大きな雷が2人の周りを照らし、目の前の人物がしている仮面の下の瞳と目があった気がした。男は恐怖で動けなくなり、助けを呼ぶことしかできなくなってしまう。
「ボス助けてください!変なやつに追われてるんです、狐の面をした!!うっ……」
男の意識はそこで途切れた。
狐の面をした人物は男の携帯を奪い電話を切る。そして、自分の携帯を取り出しどこかへ電話を繋ぎ相手の人物に伝えた。
『任務完了…後はお願いするわね〜』
ゆったりとした口調でそう言うと男のバッグから奪われた刀を取り戻し、夜の暗がりへと消えていった。
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唄海(プロフ) - プスメラウィッチさん» プスメラさん初めまして、コメントありがとうございます!オチは今のところまだ未定です。五条オチもいいですね!考えさせていただきますね。応援よろしくお願いいたします! (2022年7月31日 12時) (レス) id: 7262bd6081 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2022年7月24日 20時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:唄海 | 作成日時:2022年6月5日 18時