episode83 ページ36
ut「おー！やってるやってる」
ババババ、と激しく響き渡る銃声。よく聞く軽く弾ける音ではなく、低く重い発砲音。
球が切れれば次、球が切れれば次、と連続で打ち続ける五人の背中を射撃場の外から眺める。
shp「……音の割には結構衝撃少なそうですね」
ut「ほんまや、体に負担少ないことはええことやな……お！Aちゃん発見〜」
shp「普通に上手いっすね」
軍学校を卒業してから組手や射撃の訓練を全く受けてこなかったと聞いていたのだが、流石ロシフ国元兵士。兵の基礎レベルが高いだけあって、Aさんの射撃の腕はブランクがあるとは思えない腕だった。
ut「あの腕なら普通に戦場でも使えそうやね」
shp「まあ……そうっすね。でも技術兵なんで余っ程のことが無い限りは有り得ないっすね」
ut「せやな〜。まずそもトンちが許すかどうか」
shp「…………」
過去に一、二度程見た事がある、顔を赤黒く怒りに染め、目を釣りあげて炎を背後に燃やす赤い獣の姿を思い出し、ぶるりと背筋をふるわす。あー、こっわ。
隣の大先生も俺と同じ想像をしたのか、汗をダラダラ流しながら震えていた。いや、自分で言ったくせして何震えてんの、この人。
ut「…………あれ？なんかアソコ……真ん中の子だけなんか違くない？」
shp「真ん中？」
ut「なんか他に比べて標的に当たった時の威力というか撃った時の衝撃というか……」
言われてみれば確かに。
一発一発が他より重く、銃を撃った時の反動が少し強く感じる。なんで周りは同じ感じなのに、あそこだけ違うのだろうか。
じぃ、と目を凝らしてその銃を撃っている人物を確認する。ゴーグルや耳あてをしていてよく顔が見えなかったが、特徴的なブロンドの髪と少し小さな背丈の人物に「あ、」と思わず声が出た。
shp「あれミカエルじゃないっすか？」
ut「えぇ？ミカくん！？」
気に食わそうにAさんを睨みつける姿が脳裏を過る。もしかして言いなりになるのが嫌で少しアレンジでも加えて対抗でもしたんかな。
そんな事を呑気に考えていると、Aさんが唐突に銃を降ろし、他四人の様子をじっと見始めた。遠目ではよく分からないが、少し首を捻っているように見える。
数秒、じっと撃ち続ける四人を観察するように見つめ、何故か手に持つ銃を投げ捨て走り出した。
shp「何や…？」
ut「っ、アカンッ！」
え、と急に大声を出した大先生の方へ顔を向けると、銃声とはまた違った嫌な破裂音が耳に響き渡った。
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蛇狐(プロフ) - #ゆー@金欠民族さん» ありがとうございます！自分のペースで頑張っていきます！ (2020年12月11日 16時) (
レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
#ゆー@金欠民族 - 後編決定おめでとうございます！！ばちくそにおもろいです！！ ゆっくり、ゆっくりでいいんで続き待ってます！！ これからも頑張ってください！！ (2020年12月10日 20時) (レス) id: 3046ae6781 (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - 妖々 梅雨里さん» 仕事の都合上、更新するペースはまちまちになってしまうと思いますが、頑張ります！ (2020年9月12日 21時) (レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
妖々 梅雨里 - 更新ゆっくりと頑張ってくださいね〜無理をしたらちょっと……ね〜。 (2020年9月12日 12時) (レス) id: f5b2ce54f6 (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - アズライト@pitterさん» ありがとうございます！これからもビシバシと物語を進めていきます！ (2020年8月20日 0時) (レス) id: a06b5d42fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蛇狐
| 作成日時：2020年8月19日 8時
