episode65 ページ18
あの後背後から忍び寄ってきたゾムによって私とトントンの皿の上に、それは開いた口が塞がらない程の量の食べ物を盛られたり、酔っ払ったグルッペン総統の絶対に国民には聞かせられないような演説を聞かされたり、酔いの回っていない人達と軽い交流をしたり、とても賑やかで充実した時間を過ごした。
日付が変わる頃、部屋に戻る人や大の字に床で眠りこける人がチラチラと現れ、食堂が初めに比べとても静かになった。
独特の静かや空気にお腹のふくれた私に眠気が襲い、思わずコップを握りしめたままカクカクと頭が揺れてしまう。
意識がふわふわとして、瞼が重い。
何も考えられなくなっていると、誰かの手が優しく肩を揺さぶった。
脳裏に浮かぶのは困ったように眉を下げて、しょーがないなーと笑う銀髪の彼女。
そんな彼女に縋るように肩の手に首を傾げて頭を乗せる。
「タミーラ…眠ぃ……」
顔を俯かせたままそう呟くと、ピクリ、と手が動いた。
tn「……誰やねんそれ。……まあええわ、ほれ、眠いんなら部屋戻りぃ」
あれ、トントン？
ぽやぽやとした頭で目を擦りながら彼を見ると、眉を顰めて口を真一文字に結んでいた。
「タミーラは？」
tn「……知らん。ここで寝てもうたら風邪ひくで。明日早いんやろ？」
「ん」
なんとなく素っ気なく感じるトントンに少し寂しく思いながら、頭を振って眠気を飛ばす。少しスッキリした所で、私は残った皆に声をかけて食堂をあとにしようとすると、誰かに手を掴まれた。
ht「ふらふらしてて心配だから送ってくよ」
白い軍服を少し楽そうに気崩し、酔いが回っているのかほんのりと頬を染めた、ひとらんらんさん。彼はそう言うと、答えを聞かずに私の手を引き食堂をあとにした。
月の光で照らされた薄暗い廊下に二人分の足音が響く。お互い無言で、静かなこの空間が心地いい。
ht「昼はあんなに人で溢れて賑やかなこの廊下も、夜になるとこんな静かになると……なんだかちょっと怖いよね」
「そう…ですね、」
ht「あ、あれ？もしかしてそうでも無い？」
「…まあ」
ht「まじか」
目をまん丸にしてこちらを凝視する白い彼に、私は思わずぷッと吹き出してしまった。
なるほど…ひとらんらんさんは、こういうのがダメなんだな。
意外な彼の弱点に笑っていると、ひとらんらんさんは拗ねたように顔を逸らしてしまった。
それでも私の手を離さない彼は、相当な怖がりなんだろうな。
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蛇狐(プロフ) - #ゆー@金欠民族さん» ありがとうございます！自分のペースで頑張っていきます！ (2020年12月11日 16時) (
レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
#ゆー@金欠民族 - 後編決定おめでとうございます！！ばちくそにおもろいです！！ ゆっくり、ゆっくりでいいんで続き待ってます！！ これからも頑張ってください！！ (2020年12月10日 20時) (レス) id: 3046ae6781 (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - 妖々 梅雨里さん» 仕事の都合上、更新するペースはまちまちになってしまうと思いますが、頑張ります！ (2020年9月12日 21時) (レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
妖々 梅雨里 - 更新ゆっくりと頑張ってくださいね〜無理をしたらちょっと……ね〜。 (2020年9月12日 12時) (レス) id: f5b2ce54f6 (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - アズライト@pitterさん» ありがとうございます！これからもビシバシと物語を進めていきます！ (2020年8月20日 0時) (レス) id: a06b5d42fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蛇狐
| 作成日時：2020年8月19日 8時
