episode60 ページ13
kr「あー、それは早く戻らないとね」
あの後、冷えたタオルを手に持ち戻ってきたレラおじさんに、鬱さんからの伝言を伝えると苦笑しながらそう言った。
聞くに、どうやら今夜は夕食の場で幹部や幹部補佐たちに私を紹介をする予定だったようで……
って、
「え、私聞いてないよ」
kr「あそこの組織、そこら辺の伝達結構ゆるゆるだからなぁ」
「せめて心の準備をさせて欲しい…」
ぺ神さんからチラリと聞いたのだが、我々国の幹部は13人……更にその下に補佐が13人。まだ面識のない人達がほとんどだ。
キリキリと痛み出したお腹を抑え、私は机に突っ伏した。
「帰りたくない」
kr「それはとても嬉しいことだが、ちょっと私の首が危うくなっちゃうなー」
もみもみと私の肩を揉みながら困ったように笑うレラおじさん。はぁ、と重く息を吐き出し、腫れた目に冷たいタオルを押し付ける。
kr「さて、その腫れが少し落ち着いたら城に帰るか」
「……また会いに来てもいい？」
kr「いいも何も、科学部の私と技術部のAちゃんなら嫌でもたくさん顔を合わすことになるだろうね」
「じゃあ、これからよろしくお願いしますクラレ先生」
kr「うーん…プライベートではレラおじさん呼びがいいかな」
「はいはい」
しょんぼり落ち込むレラおじさんにクスクス笑っていると、コンコンと壁を叩く音が聞こえてきた。首を捻り後ろを向くとナタリーさんが壁に背中を預けて、気だるそうに指をビッと窓へ向けて口を開いた。
nt「もう太陽沈み掛けてるんスけど、大丈夫スか？」
「「えっ」」
バタバタと近くの窓を開けて外へ身を乗り出すと、夕日が海を赤く染めあげながら、姿をその海の先へ消そうとしていた。
kr「ちょ、ナタリーちゃんとAちゃん急いで車に乗って！」
nt「ほーい」
「レラおじさんタオルどうする！？」
kr「あー、まだ腫れ引いてないから車に乗ってる時もそれで冷やしてて！」
バタバタと慌ててカバンに書類を詰め込んだレラおじさんは、私とナタリーさんの背中を押して車へ乗り込むと、ハンドルを握りサイドブレーキを手に持ち後ろを振り返り、ヘラッと笑った。
kr「ちょーっと飛ばすからシートベルトしっかりしてね」
「へっ、うわ！」
音が鳴るほど強くアクセルを踏み込まれた車は、聞こえては行けないような音を立てながら猛スピードで走り出した。
……もう二度とレラおじさんが運転する車には乗りたくない。
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蛇狐(プロフ) - #ゆー@金欠民族さん» ありがとうございます！自分のペースで頑張っていきます！ (2020年12月11日 16時) (
レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
#ゆー@金欠民族 - 後編決定おめでとうございます！！ばちくそにおもろいです！！ ゆっくり、ゆっくりでいいんで続き待ってます！！ これからも頑張ってください！！ (2020年12月10日 20時) (レス) id: 3046ae6781 (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - 妖々 梅雨里さん» 仕事の都合上、更新するペースはまちまちになってしまうと思いますが、頑張ります！ (2020年9月12日 21時) (レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
妖々 梅雨里 - 更新ゆっくりと頑張ってくださいね〜無理をしたらちょっと……ね〜。 (2020年9月12日 12時) (レス) id: f5b2ce54f6 (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - アズライト@pitterさん» ありがとうございます！これからもビシバシと物語を進めていきます！ (2020年8月20日 0時) (レス) id: a06b5d42fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蛇狐
| 作成日時：2020年8月19日 8時
