episode25 ページ25
tn「ここが衛生部の診療所。誰かしらいると思うから怪我したらここで診てもらうんやで…………さ〜て、俺は仕事やり残してるから戻るとするかー」
「え、トントンも診て貰えってグルッペン総統言ってたじゃん」
tn「なんの事かさっぱり」
真顔でとぼける彼はそのまま車椅子をバックさせようと車輪に手を持っていく。
すると急に「うぉッ」とトントンの野太い声が聞こえキュッと車輪が地面と擦れる音が聞こえた。
si「んふふ〜グルッペンから連絡あったから急いで戻ってきたけど…トントン逃げようとしたでしょ」
tn「ぺ、ぺぺ、ぺ神」
のほほんとした声とは裏腹に、ハンドルとブレーキをぎちぎちと音を立て握りしめるぺ神と言われた背後の男に、取り敢えずペコリとお辞儀した。
si「君がAちゃんやね。チーノから報告受け取ったけど…思ったより酷いなぁ…痛いやろ、早く治療しよな」
見慣れぬ服を着た、よく分からない文字が書かれた布で顔を覆う人物に少し気圧され引き気味になる。
彼は顔面蒼白で嫌嫌と首を振るトントンを無視して車椅子を押して部屋の中へと入っていき、私もその後を追った。
診療所の中へ入るとムワリと牢でチーノに塗られた薬品の香りが私を包み込んだ。
部屋の壁には小さな引き出しが沢山着いた棚がぎっしりと敷き詰められており、その近くで衛生兵と思わしき人たちが薬草やら何やらを調合したり、名簿に何か書いたりと忙しく動いていた。
その光景に呆気に取られていると、奥の方から「Aちゃーん」とぺ神さんの間延びした声が聞こえ、私は慌てて後を追った。
奥のカーテンで仕切られた部屋へと行くと、そこは診察室のような感じになっていて、沢山の書類や本が積み重なった机の前に小さな椅子がちょこんと2つ並べられていた。
その片方にぺ神さんが座り、隣の椅子をぽんぽんと叩いた。そこに座れということか。
トントンはというと部屋の隅でムスッとしながら、車椅子の車輪を医療用ベッドに固く紐と結び付けられていた。
そんな彼に思わず苦笑しながら、私はぺ神さんに促された椅子へと腰を下ろす。
si「さて…初めましてAちゃん。僕はしんぺい神いいます。みんなからはぺ神って呼ばれとるからAちゃんも好きに呼んだってな！この面布は僕の部族の仕来りなんであんま深く考えんでええで。改めてよろしくね、Aちゃん！」
「A・カラシニコフです。よろしくお願いします」
そう言って私たちは互いに手を握りあった。
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蛇狐(プロフ) - イチゴダイスキさん» へへへ、ありがとうございます！(神様では)ないです。 (2020年12月13日 15時) (
レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴダイスキ - え？え？え？神様ですか？そうですね？なんでこんな神作品作れるですか！！もう無理好キィ(鼻血) (2020年12月12日 20時) (レス) id: f02fd4c99a (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - ゼネヴァンスさん» ありがとうございます！これからも隻脚をどうぞ宜しくお願いします！v (2020年8月10日 1時) (レス) id: a06b5d42fa (このIDを非表示/違反報告)
ゼネヴァンス(プロフ) - お気に入り1000人以上になりましたね！！！おめでとうございますっ！！！！ (2020年8月10日 0時) (レス) id: d6da2f5e2e (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - 紗稀さん» ひぇ……とてもありがたいお言葉ありがとうございます！読者さんや相互さんのお陰で成り立ってるようなものなので……笑 頑張って更新していきます！v (2020年8月9日 23時) (レス) id: a06b5d42fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蛇狐
| 作成日時：2020年7月29日 17時
