episode22 ページ22
彼の言葉に呆気に取られる私と、そんな私と対照的にニヤリと笑うグルッペン総統。
まだ開発段階のソレは事故が多くリスクがとても高いと聞いた。
彼は…グルッペン総統は危ないとは思わないのだろうか。
黙ってしまった私にクツクツと喉を鳴らして笑ったかと思うと、グルッペン総統はズイッと身を乗り出してきた。
gr「リスクがあることは重々承知だし今直ぐにとも言わん。だが、お前なら出来るやろ？」
信じてる
そう言いたげなグルッペン総統の笑みに、私はぽかんとして彼の顔を見た。
なんで会ったばかりのちっぽけな私に絶大な信頼を寄せるのかが、よく理解出来なかった。
でも、そこまで言われたらやるしかないじゃないか。
特技兵として滾る気持ちを抑え、私は背筋を伸ばす。
「出来ます。でも、先に普通の義足で慣らしてもらってからでいいですか？」
gr「あぁ、構わん」
普通の義足といってもお前が作るものは普通とはかけ離れたものだがな。
そう言って満足そうに笑うグルッペン総統にオスマン外交官もつられるようにクスリと笑う。
グルッペン総統の言葉がいまいちピンと来なかった私とトントンは、目の前で意味深に笑う二人に首を捻ねった。
そんな私たちにグルッペン総統はニヤリと笑って口を開く。
gr「従来の義足というものはただ体を支えるもの。いくら足の形をしていても所詮棒だ。走ることも出来なければ歩くこともままならない。でもチーノからの報告によるとお前の作る義足は歩くことも出来れば走ることも出来る。こんなん普通なわけあらへん」
彼のそんな言葉に私は思わず目を見開いたか。
知らなかった。
義足は独学で作り上げていた物だから、普通の定義が私は他と違っていたのだ。
gr「でも、今開発中のその義足は神経に繋いで自由自在に自分の意思で関節を曲げたりすることが出来、健常者となんら変わらない動きができると聞いた。そうだろ？」
「はい。計算上では違和感を感じることなく生活ができる筈です」
gr「それがもし完成したのなら、世界に大革新がおこる。トントンだけに限らず、手や足の欠損で希望を失った人々も救うことが出来る」
仰々しく手を広げ熱弁を繰り広げるグルッペン総統は最後に隣にいるトントンの背中をバシンと思いっきり叩くと、そのまま頭を下げた。
gr「A、改めてこいつを……よろしく頼む」
「ハイル・グルッペン」
人に頼られる。
その事に擽ったく感じた私は彼の言葉にはにかんでみせた。
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蛇狐(プロフ) - イチゴダイスキさん» へへへ、ありがとうございます！(神様では)ないです。 (2020年12月13日 15時) (
レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴダイスキ - え？え？え？神様ですか？そうですね？なんでこんな神作品作れるですか！！もう無理好キィ(鼻血) (2020年12月12日 20時) (レス) id: f02fd4c99a (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - ゼネヴァンスさん» ありがとうございます！これからも隻脚をどうぞ宜しくお願いします！v (2020年8月10日 1時) (レス) id: a06b5d42fa (このIDを非表示/違反報告)
ゼネヴァンス(プロフ) - お気に入り1000人以上になりましたね！！！おめでとうございますっ！！！！ (2020年8月10日 0時) (レス) id: d6da2f5e2e (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - 紗稀さん» ひぇ……とてもありがたいお言葉ありがとうございます！読者さんや相互さんのお陰で成り立ってるようなものなので……笑 頑張って更新していきます！v (2020年8月9日 23時) (レス) id: a06b5d42fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蛇狐
| 作成日時：2020年7月29日 17時
