Dr.ロレイスの提言 (ページ42)

今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:6,045 hit

Dr.ロレイスの提言４０ページ42

11月7日 9:53
管理者:Dr.ロレイス
サイトC:フロアF/S-324.35

LE-TD達が都市へと向かって行ったよ。ついさっきの事だ。警察官とそしてTD-1と共に、やる気満々の表情で出発して行った。これからの活躍に期待だ。

LE-TDは発声器官を持つ。TD-1にも器官自体はあるんだ。しかし未発達だから声が出せない。それを思うとやっぱりLE-TDと組ませて良かったのだろう。彼らの間には何かしら共鳴する感覚があるらしく、TD-1の言いたいことをLE-TDが代弁する場面が何度か見られたんだ。研究室で行ったクロステストの時にも、彼らはごく当たり前とばかりに意思疎通をこなしていた。これは…植物由来の能力か？植物もそれぞれに情報を伝達しあっていると聞くが、それに似たようなものなのだろうか？面白いな。

TD-1とLE-TDのクローンを作る上で大本となる個体、原体を保存する必要がある。TD-1は五体LE-TDは三体を培養装置で保管してあるんだが、この内二体ずつを自走式コンテナに移動させることにした。量産を必要とするLE-TDの原体を二体も持ち出せるか分からないが、何かあってからでは遅いものな。そう言えば培養装置を小型化した物が試験段階に入ったと聞いた。サンシャの部下達が関わっていた開発計画だった。少し見てこよう。小型化できるならありがたい。今のは場所を取るからな…。

それでだ。
私は個人的な研究を始めつつある。レディダフネについての研究だ。レディダフネの提供者であり、あの子の母親である女性、ファマ・フローラルから頼まれていたこと。彼女が産まれたことに意味をとはまた別に、少し…少し悩ましい、しかし理解できなくもない。

クローンを、あの子の写鏡を…と言う願い。

ほら、私達は人工生命が専門だろう。クローンや、今回みたいな細胞からの創造とかね。そのことを研究内容の説明と自己紹介の時に話した。提供者が知るべき内容だろう。まぁTD達は完全に植物性だが、彼らは遺伝子を転写する際にレディダフネのDNAを借りている。だから植物性ながら、配列や特性が人に近くなるように…誘導と言うのか？標のように使わせてもらった。翼を借りた個体は今数体育てているが、これは発生率が低すぎる。やっぱり本来のレディダフネや、その血筋ではないから相性が悪いのかもな。

とにかくレディダフネのクローンを、ファマのために一体だけ作る。思うところはある。あるんだが…分からないでもなくて…な。