Dr.ロレイスの提言 (ページ39)

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Dr.ロレイスの提言３７ページ39

10月29日 22:31
管理者:Dr.ロレイス
サイトC:フロアF/S-324.2

私の部屋に客が来るなど初めてのことだ。しかも機動部隊の隊長殿がお越しになるとは…不思議な縁だな。

おかげで中央病院についての問題が解決した。どうやって潜り込んだものかと困っていたんだが、意外な所から協力を得られた。とても驚いたが、隊長殿は見た目に反して感情的だった。

三人目の協力者は機動部隊R-1〈立ち続ける者〉の隊長だ。コードネームはワンアルファ。本名はテクタ。三十五歳の男性で、鍛え上げられた筋肉質な体は流石軍人と言うべきだろう。健康的だな。少し憧れる。彼らも健康診断を受けているようだが、私達のような抗曝露剤は摂取してないと話してくれた。彼らの仲間達も同じく、ただ普通の健康診断らしい。まぁ彼らは実験室の中で過ごさないし、曝露もしないのだろうが…怪しいのはやはり抗曝露剤だ。日記にも書いてあったし、何かあるのだろう。

そして、それについて彼らは心当たりがあるとの事だ。

ここから少し話が大きくなる。
まずは、そうだな。軍について少し話しておこう。軍の主な役目は国を守ることと、海賊などの侵略者を追い払うことだ。財団と合併する前はこの二つが主軸だった。今でこそ外包地にはロボットが多く配備されているが、それと同じ規模で軍も展開されている。財団と合併してから、財団を始めとした主要施設の防衛や機動部隊による警護も行うようになり、国全域からエリアRの防衛へと変わっていった。今も外包地に部隊が展開されているが、前よりは少なくなったらしいよ。

軍と財団が合併する時、軍は財団の協力による軍事開発を期待していた。契約にもそれが盛り込まれ、だからこそロボットが開発されたわけでもある。しかし軍と言うのは、私達が思っている以上に鼻が鋭いようだ。どうやら共有されていない技術があるようだぞ？とテクタの所属する部隊の上官は感じたらしい。だからテクタ達は機動部隊として派遣に応じながら、じっと内部を見ていた。

彼らが派遣されたのは中央病院の研究施設で、その中でも随分と厳重なセキュリティが組まれている場所らしい。護衛する荷物を見るに、高確率でワカミズワクチンが作られている。軍は財団の隠し事を知るために水面下で動いている、とテクタは教えてくれた。医療技術を兵器として使うのは反対だが、兵器として既に使われているのであれば軍はこれを止めるために動く。

とても心強い協力者だと思わないか？