Dr.ロレイスの提言３６ ページ38
10月24日 8:00
管理者:Dr.ロレイス
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TD-2は申し分なく素晴らしい。盾を構え、銃弾の衝撃に耐えられる。力も強く、足腰も安定している。量産についての問題はあっさりと解決した。スクラップDNAの一部を切り取り、代わりにコードを埋め込んだんだ。転写をしやすくなるように、分裂を担う配列を組み換えさせてもらった。この方法には問題がよく出るからあまり推奨されないし、やるならば長期的実験が必要になる。何代かに渡って観察し、異常や変質が起きないかを確認しなければならない。しかしその為に財団のシュミレーション技術があるわけで、これを使えば十年かかる実験が五分で終わる。
その結果によれば、変異が起きる確率は限りなくゼロに近い。コードに詳しいシジロのアドバイスを貰って実験を行ったから、そのお陰なのだろう。全く、兄弟揃って素晴らしい才能だ。羨ましくなってしまうよ。とは言え私は、スクラップDNAを切り貼りする手技には自信がある。この手の実験なら任せてもらいたいね。
…だからそこサンシャが大切だったんだ。お互いにお互いを補い合える。研究員としても友としても。シジロもそうだったようで、兄弟としてもお互いが居なければならない仲らしい。昔から仲が良かったのは良く知ってる。彼の気持ちはとてもよく分かる。今は…ブラックボックスの中身に期待しよう。少しでもいい。サンシャについての情報が少しでもあれば、後は私達が見つけ出してみせる。
明後日にはTD-2の実用段階に向けた、量産計画を完成させたい。呼称はLE-TDだ。ローエンド・タイプダフネ。ローエンドと言っても低級ってわけじゃないよ。主軸、基本、基準。一番個体数が多い。そう言う意味だ。今後は彼らを主軸として展開するため、早めの量産を進めなければならないな。製造地にはまだ空きがあるから大丈夫だろう。青年型の都市巡回重装兵が充実していれば、TD-1が塵となってしまうことも防げる。
攻守を整えてやらないと。
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