彼女 29 ページ29
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不審者として通報されることすらなく、むしろ、「可愛い」「似合ってます…！」などのお声を頂き、当たり前のように撮影会が始まった。
「ちょっと待って、私写真は…」と、幸くんに止めてもらおうと声をかけようとしたら有無も言わさないような笑顔で携帯をこちらに向けていた。
唯一の味方が消え、私は三好くんに言われたポーズを取ることにした。
「あの、茅ヶ崎さんには見せないで…」
「うんうん、最終手段として使うから大丈夫だよん！」
「最終手段って何が起きるの…」
写真を撮るのは勝手だけど、私じゃない子にしてほしい。
幸くんとか向坂くんとかの方が断然似合う気がする。
いい歳した大人がこんな格好するなんて黒歴史だよう…。
だんだん恥ずかしくなってきて、顔を手で隠した。
「Aちゃん！」
「ち、茅ヶ崎さん…！？」
勢いよく談話室に入って呼ばれた茅ヶ崎さんに、私は素直に反応してしまった。
振り返ると、今朝会った格好とは裏腹に、前髪を上げ、スカジャン姿だった。
あ、でもこの前髪ってパジャマのブロマイドの時も上げてた、気がする…。
やっぱり、可愛い。
スーツ姿しか見たことないから、格好いい茅ヶ崎さんしか見たことないんだけど、この格好は可愛い。
なんて考えていたら「Aちゃ、その格好…、」と言われ、自分がどんな格好をしているのかを思い出し、頭を抱えた。
どうしよう、見られた。
恥ずかしい感情と、誘惑女だと思われたの気持ちが交差し、目が合った幸くんに助けを求める。
だがしかし、「あれは興奮して言葉が出てないだけ」と言われるだけだった。
いやいや、茅ヶ崎さんは私になんか興奮しないし、なんて考えていたら、ちゃんとは聞こえないものの、所々「俺だって名前で呼ばれたい」「白い脚が綺麗すぎて直視しちゃう」「可愛い」「似合いすぎ」など、普段の茅ヶ崎さんからは言われないことを聞き、恥ずかしくなる。
とにかく、皆が聞いているのでやめてもらおうと名前を呼ぶが、茅ヶ崎さんは私に “ 至 ” と呼んでもらいたいと言っていたから、「えっと、至さん……」と呼んでみた。
名前を呼ぶだけなのにこんなに緊張するもんなんだね。
我に返り、私は手で顔を覆い隠した。
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白身魚(プロフ) - natugyuさん» comme thanks* 面白いと言って頂き感謝の言葉しかないです。最初は至さんをこんな性格の悪い奴にして大丈夫だろうか、と不安がありましたが心強いです。夢主ちゃんも心広すぎて少しは茅ヶ崎怒れよお！って思いながら書くときもありました笑 更新頑張りますね(*´ｪ`*) (2018年5月16日 20時) (
レス) id: d04133848a (このIDを非表示/違反報告)
natugyu(プロフ) - とっても面白いです！至さん推しなのに夢主ちゃんの健気さに胸を打たれてしまいましたｗ (2018年5月16日 16時) (レス) id: 5862bce5b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白身魚 | 作成日時：2018年4月22日 20時
