彼女 21 ページ21
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「用があったら呼んでね」それだけ言い残し、摂津くんと出て行ってしまった。
「大丈夫」なんて言ってしまったが、茅ヶ崎さんに変な印象は受けてないだろうか。
そもそも、よく知りもしない彼等のお願いも聞いてよかったのだろうか。
気にしなくてもいいと言われてはいるが、条件を提示されてる以上守らない訳にはいかない。
ちょっとでも嫌われないよう、愛想つかれないよう、少しでも都合のいい女でいたい。
なんて言ったら嫌われるだろうか。
「ねぇ、」
「えっと、何ですか?」
「取り敢えず、インチキエリート…至の事は忘れて。あと敬語とやめて」
「あ、うん。えっとごめんね?」
「謝って欲しいわけじゃないから」
トゲのある発言をする彼女。
やっぱり、顔が良い茅ヶ崎さんと付き合ってることが反対なのかな。
「至の事忘れて、って言ったけどやっぱり一つ聞いていい?」
「全然いいよ、」
「至の事、好きなの?」
「えっ、」
劇団員にも惚れられているのか。
こういう事を言う女の子は基本、自分も好きだから。とかが多い。
好きになった理由は別にある。
だけどこれは劇団員だから言っていいか分かんない。
「茅ヶ崎さんの事は好きです。きっかけはきっかけですけど、顔が好きだからとか、そんなんじゃないんです」
「あのさ、なんか勘違いしてない?」
「してないと、思いますけど…」
「俺、至の事好きじゃないから。第一俺、男だし」
「……はい?」
私は盛大に恥ずかしい勘違いをしていたようです。
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白身魚(プロフ) - natugyuさん» comme thanks* 面白いと言って頂き感謝の言葉しかないです。最初は至さんをこんな性格の悪い奴にして大丈夫だろうか、と不安がありましたが心強いです。夢主ちゃんも心広すぎて少しは茅ヶ崎怒れよお!って思いながら書くときもありました笑 更新頑張りますね(*´ェ`*) (2018年5月16日 20時) (レス) id: d04133848a (このIDを非表示/違反報告)
natugyu(プロフ) - とっても面白いです!至さん推しなのに夢主ちゃんの健気さに胸を打たれてしまいましたw (2018年5月16日 16時) (レス) id: 5862bce5b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白身魚 | 作成日時:2018年4月22日 20時