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土方が出した言葉で、その場はなんとか収まった。幹部たちは、腑に落ちない様子でその部屋を出て行った
もう部屋には斉藤しかいなかった
彼は横たわるAの側に座り、眠っているAを見つめた
「…A。守ると約束したのにすまない…すまなかった」
布団の上に置かれたAの手。斎藤はAの手を躊躇しながらも、そっと掴んだ
その手はあまりにも冷たくて
「もう少し俺が早く着いていれば…」
あの戦場に、途中から参加した斎藤。しかしAがいたあの場とは別で戦っていたのだ。
斎藤がその場についた時には、もう、Aは倒れていた
「…A」
Aの手を握りしめた手を、さらにぎゅっと握る
「…早く、目を覚ましてくれ」
__________
ある朝
「千鶴じゃんおはよ！」
「おはよう…怪我はもう大丈夫なの？」
「おう、すっかりだ」
それは自分でも恐ろしいほどに。
傷一つ残っていないこの体は、いつも通りでだるくも何ともない。それどころか、いつもよりも体が軽くさえ感じる
「一つ聞きてぇんだけど」
「どうしたの？」
「Aって今どこにいるか知ってるか？」
「Aさん？」
Aさん、と聞いて思い出す。
そうだ。千鶴は男の時のAしか知らない。
「Aさんなら今、江戸の方に出張してるみたいだよ。おととい知らないうちに出発してたらしいの」
「出張！？」
「うん。私もびっくりだよ」
Aは確かにあの時いた。
あいつに名前を呼ばれたのも、手を握られたのも、うっすらだけど覚えている
手を握ったAの手が、だんだんと冷たくなっていったのも
「俺行くわ」
「え！安静にしてないとダメだよ！」
「へーきへーき！」
誰か、事情を知っている幹部に聞かなければならないと思った。とても、嫌な予感がしていた。廊下を歩き回って、幹部を探す
「ふッ！？」
キョロキョロしていると、突然誰かに口を押さえられ、どこぞの部屋に引き入れられる
は…！？気配全くなかったんだけど！？誰だよ…！？
「んー！」
相手は相変わらず俺を引きずり、俺もじたばたと抵抗するが、突然聞き慣れた声
「平助、俺だ」
「なんだ一くんかよ」
一くんは俺を離した
「すっかり良くなったみたいだな」
「あぁ、まぁな」
よく見ると、この部屋は一くんの部屋だった
「あ…一くん、Aは？」
「あぁ。その件で副長からあんたに話すように頼まれている」
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ドラごん(プロフ) - にわかさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2016年7月12日 21時) (
レス) id: 19ae749365 (このIDを非表示/違反報告)
にわか - 更新頑張って下さい応援してます！ (2016年7月12日 21時) (レス) id: 273458644d (このIDを非表示/違反報告)
ドラごん(プロフ) - 睦月 雪さん» そう言っていただけて、とても嬉しいです！最近本当に忙しく疲れてしまって全く更新ができていませんでした…。一気に更新が来ると思うのでもう少々お待ちを！本当にコメント嬉しかったです。ありがとうございました (2016年5月25日 0時) (レス) id: 19ae749365 (このIDを非表示/違反報告)
睦月 雪(プロフ) - すごく好みの作品です！読んでいて飽きないし楽しいです。更新がんばってください！楽しみにしてます！ (2016年5月24日 23時) (レス) id: 3701746fb2 (このIDを非表示/違反報告)
ドラごん(プロフ) - 燐ﾀﾛさん» ありがとうございます！！頑張りますねっ！！ (2016年2月16日 22時) (レス) id: 19ae749365 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ドラごん | 作成日時：2016年1月16日 11時
