Silver Soul 【銀魂】ー俺達の生き様ー【Ⅲ】 (ページ30)

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第130話　NOside ページ30

そんな新八の綴った言葉に
阿伏兎は黙ったあとそっと口を開く

阿伏兎「つくづく甘ったれた連中だ

言ったはずだ
戦場じゃ殺すのを迷った奴から…」

“死んでいくんだってよ”

鬼翔「なっ…！？」

そう言い放つ時には
3人がいたところは足場が脆くなっていて
崩れ落ちていた

新八は必死に手を伸ばすが
重力に逆らわず落ちていくその体
伸ばしてもその手が届くことは無かった

そんな時阿伏兎が
語りかけるような声で言葉を発した

阿伏兎「…さて
ここでまた選択肢だ

鳳仙を殺さずに鳳仙に殺されるか
鳳仙を殺そうとして鳳仙に殺されるか

…さてどっちを選ぶ？」

そう問掛ける時には
新八と神楽は屋根の上に戻っていた
再び落ちないようにと鬼翔は2人を抑える

鬼翔「お前…」

阿伏兎「え？
どっちも結局殺されるって？
硬いこと言うなよたかがクイズだろ

人生は重要な選択肢の連続だ
お前さん達の甘い選択で
どこまでいけるかやってみるがいい

(血と戦い生きる夜兎(ケモノ)
血のままに生きる夜兎(ケモノ)
そして血の乾いた夜兎(ケモノ)
果たして誰が生き残るのか…)」

平然と淡々と言っているが
彼は真っ逆さまに落下しながら言っていた

新八「おまっ…」

阿伏兎「言っただろ
俺は、共食いは嫌いなんだ

(血を愛でる夜兎(ケモノ)は
遠くでその様見せてもらおう…)」

阿伏兎の姿が闇に飲み込まれる時
弱々しい神楽の声が新八の耳に入った

神楽「新…八…」

その声は今にも消えてしまいそうで…

新八「神楽ちゃ…
よかった元に…」

神楽「私…負けてしまったアル

夜兎の血に…自分自身に

みんな…殺そうとしてたアル
…みんな…
偉そうなこと言って結局私…
アイツらと…兄(アイツ)と…
なにも変わらなかったアル」

鬼翔「…」

新八「そんな事ないよ
神楽ちゃん僕を護ってくれたじゃないか
僕を護ろうと戦ってくれたじゃないか

ごめん僕が弱いばっかりに
僕がもっと強ければ…」

神楽「…何も見えない
何も聞こえない
ドス黒い闇の中で聞こえたアル

お前の声が
私を護ってくれたのは新八
…お前アル

私…悔しい
もっと強くなりたい」

そう言って神楽は
自分の腕で青い瞳を隠すように涙を流した

神楽「…皆を護れるくらい
誰にも…自分にも負けないくらい」

新八「…。
僕もだよ」

鬼翔「なら強くなりゃいい
自分が後悔しねぇように

…だが今は立ち止まってる暇なんざねぇ
やらなきゃなんねぇことが山程残ってんだ
そうだろ？」