10話 タヌキと海列車 その1 ページ34
…身体が、揺れている。
…私、どうなった?
確かあの時、妙な男に出会って、唐突に水水肉を貰って、つい嬉しくなってそれにかぶりついて、そこから記憶が……。
…あぁ、盛られてたんだな、なんかが。
「……ク……ォァ…?」
……まず、違和感を感じる。周りの景色を見ようとしたのに、視界には幾つもの線が引かれていて、よく見えない。
…それが、檻だと理解するのに、そこまで時間はかからなかった。
…私は今、ケージのような檻の中にいる。それも、さっきからなんだか身体がだるい。
………もしかしなくても、この檻、海楼石で出来ておる…。海楼石の首輪だけじゃそこまで気になるものでは無かったが、この中にいると効くな…うまく力が入らん…。
海楼石って結構貴重な石なんでしょ?そんな貴重な石を動物用の檻とか言う需要絶対ほとんどないヤツに使うの勿体無いと思う。真面目に。
「………」
…そして、先からなんか視線を感じる。
思わず上を向くと……男がいた。原作で見覚えのある顔だ。
「………起きたか」
…ロブ・ルッチ。この男がいるならば、ほぼ間違いない…。
ここ、海列車や……。
…正直、私は青雉との一件で、海軍や世界政府が敵であることはほとんど確信していた。その狙いがこの能力なのか、それとも命そのものなのかは分からないが、ここは最悪のパターンを考えておく。
…その上、青雉の発言からヤツは間違いなく私が麦わらの一味に加わったことを報告に挙げたはずだ。ヤツらが手を出してくる可能性は決して低くはなかったんだ。……そんなヤバい事が、一時の興奮ですっかり頭から抜け落ちていて、結果とんでもない原作崩壊及び命の危機を起こしてしまった…。ヤバイ…。
…嘆いていても仕方ない。どう考えてもロブ・ルッチがいると言うことはこの車両にはCP9残りの3人も全員集合だろう。
…なーにをどうしたらCP9の諜報員が4人もいる部屋にタヌキ1匹をぶち込むという考えに至るのか…!?意味が分かんね。例え能力者を無効化する力を持ってたとしても、ヤツらはそれ以外に六式やらなんやら、大量の技を持っている。例え1人を相手にしたとしても勝てる可能性は限りなく0に近いのだ。
えーつまり何が言いたいのかと言いますと…。
めちゃくちゃ怖いってことだよ!
自分は檻の中、そしてイクラを噛み潰す感覚で私を殺せるヤツら4人に囲まれていて怖くないわけないでしょうが!!
10話 タヌキと海列車 その2→←9話 タヌキと水の都 その2
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しい(プロフ) - 蒼陽さん» コメントありがとうございます!そう言って頂けるとこちらもとてつもなく嬉しいです。ありがとうございますッ!!タヌキさんの冒険の続きをお楽しみに! (2022年10月8日 7時) (レス) id: 944c7f96fb (このIDを非表示/違反報告)
蒼陽(プロフ) - とても素晴らしい作品であえてうれしいです!勉強になります、続編おめでとうございます。楽しみにしています (2022年10月8日 2時) (レス) @page49 id: 306cc09e04 (このIDを非表示/違反報告)
しい(プロフ) - 青子さん» コメントありがとうございます!その辺りは物語中でじょじょに明らかにしていく予定なので、お付き合い頂けたら嬉しいです。 (2022年9月28日 6時) (レス) id: 944c7f96fb (このIDを非表示/違反報告)
しい(プロフ) - レモンさん» 初投稿の作品にコメントまで頂けて本当に光栄です…。ありがとうございます…! (2022年9月28日 6時) (レス) id: 944c7f96fb (このIDを非表示/違反報告)
青子 - 可愛いwwwwwたぬきさんは能力者なのかな?なんでチョッパーと話せないのかな?続き楽しみに待ってます!! (2022年9月28日 0時) (レス) @page14 id: 904e809950 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しい | 作成日時:2022年9月26日 16時