気付いて！色柱様！！【鬼滅の刃】

第４７話 ページ48

初めて胡蝶さんの顔をちゃんと見たかもしれない。

今まで、この人の顔をちゃんと見ないようにしていたから。
いつでも、どんな時でも作り笑顔で。
だから何を考えているかまったく分からなくて怖かった。


でも、今は作り笑顔なんかじゃなくて、本物の表情だ。

本気で、俺を心配してくれている。




『胡蝶さんは、なんで俺が居なくなったら悲しいんですか？』

しのぶ「え……」

『正直、俺、貴方に嫌われてると思ったので、なんでそう思ってくれてるのかが気になるんです』



俺の死を悲しんでくれる奴なんて宇髄だけだと思っていた。



『仲間だからですか？同じ柱だから？』

しのぶ「そ、れは……」



胡蝶さんの目をまっすぐ見つめる。
今は不思議と、恐怖感を感じない。

再び、窓から風が流れ込んできた。

と、同時にグイっ、と胸ぐらを掴まれた。



『ッ？』



ふに、と頬に柔らかな感触を感じた。
胡蝶さんの顔が離れてから、頬にキスをされたのだと気が付いた。

途端に顔に熱が集中していく。



『え？え？いや、あの、今、のは……』

しのぶ「こういう、事ですので」

『えっ、ちょっ、胡蝶さん！？』



胡蝶さんはそのまま部屋を出て行ってしまった。
俺の行き場のない手が空を掴んだ。

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