四香 ページ6
連れてこられたのは、大きな部屋。
必要最低限の家具は揃っており、もう此処で生活ができそうな程。
部屋は散らかっていることはなく、普通に清潔感のある部屋だった。
「取り敢えず、其処に座って。」
其処、と彼が指したのは真っ黒なソファ。
恐る恐る腰を下ろすと、凄く肌触りのいい高級感のあるふかふかなソファで思わず声を上げてしまいそうになる。
私の部屋とは大違いで、此方は硬い木の椅子なのだ。
…伯父様に話でもしようかな。
「…大体のことは森さんから聞いているよ。
君、異能力者なんだってね。
君の口からも説明してくれる?」
足の上で手を組み、お偉いさんのようなポーズをとる。
伯父様といい、太宰さんといい、良く似合うものだ。
私は太宰さんの云う通り、異能の詳細説明を話していった。
『…はい……フェロモンを感じたり、見たりすることが出来ます。
ですが、其と同時にフェロモンを感じないと、体調を崩して最終的には死に至ります。』
フェロモンを見たりするのは、理由がない訳ではない。
ちゃんと、私の命を守るために本能的に出来たことなのかもしれない。
『感じ方は夫々色々あるんですが……前までは伯父様の周りのフェロモンを貰っていました。
ですが最近、其で足りなくなってきて……。』
周りのフェロモンは、近くにいるだけで、一応接種は可能なのだ。
だが、年々其で追い付かなくなってきてしまい、体調を崩してエリスちゃんに迷惑を掛けることが増えてしまったのだ。
私も其は厭だったし、エリスちゃんも伯父様も心配してくれていた。
すると今度は太宰さんが口を開いた。
どうやら質問のようだ。
「一ついい?其さ、結構色んなことするんでしょ?私で良かったの?」
質問自体は実に単純だが、少々答えるのに時間を食う質問だ。
色んなこと。
オブラートに包みまくっているが、其は男女の一線を越えると云う行為を沢山必要とするのだ。
其の相手が貴方でいいかって?
『そんな、それは此方の台詞です!
こんな繋がりのない構成員の為に躯を貸して頂くなんて……!』
「否、此方としては寧ろ歓迎だよ。」
『……………え、』
返ってきたのは予想を370度回った答えだった。
歓迎…?如何云うこと……?
そんなの導きだされる答えは一つしかないではないか。
自惚れかもしれないが……
「私、君のこと気に入っちゃった。」
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ゆら(プロフ) - 棒緑カエル軍曹ってあれですよね!?あれ私も大好きです!! (2023年2月16日 20時) (レス) @page45 id: 9fa1b4957f (このIDを非表示/違反報告)
博識のうさぎ(仮)(プロフ) - イージストさん» ご意見ありがとうございます。えと、少し考えてみます笑私もこの作品が好きなのでそう言うような形で続けられれば嬉しいですし。 (2019年2月27日 16時) (レス) id: 311cf89819 (このIDを非表示/違反報告)
イージスト(プロフ) - これの中也バージョン見たいかも (2019年2月27日 15時) (レス) id: d35fbbbafd (このIDを非表示/違反報告)
ゆちよきし(プロフ) - 博識のうさぎ(仮)さん» これからも、様々な小説で陰ながらこっそりと拝見させて、応援させて頂きます! (2018年12月10日 22時) (レス) id: 09928c8e9d (このIDを非表示/違反報告)
博識のうさぎ(仮)(プロフ) - サキさん» ありがとうございます!更新頑張ります!こちらこそここまで読んでくださりありがとうございました! (2018年12月10日 20時) (レス) id: e5b267ef9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:博識のうさぎ(仮) | 作者ホームページ:
作成日時:2018年8月14日 9時